日本株は先物主導の下落-当面はボックス圏の動きという見方を維持
米国株は一昨日はISM製造業景況感指数が予想よりも弱かったことで下落しましたが、昨日はADP雇用統計が予想よりも弱かったことで、米国景気減速懸念が一段と高まり、大幅続落となりました。それを受けて本日の日本株は久しぶりの大幅下落となっています。ただ現物株の動向を見ると、業種(セクター)でもバリュー・グロースというようなファクターでも、全く特徴が見られず、完全に先物主導の下落です。
大きな下落波動が始まる時には、中長期資金の運用者が下落に供えるために、大きく下落しそうな銘柄群を売り、相対的に下落が小さくなりそうな銘柄群を買います。業種で言えば、景気敏感業種を売り、内需・ディフェンシブを買うという行動になります。同業種内でも、時価総額が相対的に小さく、株価変動性が高い銘柄(いわゆる2番手3番手銘柄)を売り、超大型優良銘柄(いわゆる1番手銘柄)は売却対象からはずす、ということも行なわれます。いずれにせよ、セクターやファクターで強い特徴が出ます。
一方、先物主導の上げ下げは、短期投資家主導を意味し、ボックス圏内では値幅を伴って動くものの、ボックス圏のレンジ・ブレイク(上抜け、下抜け)には至らないのが通常です。後から材料が出て、最初は先物主導だった動きが途中から現物主導に変わることもありますが、その確率は高くありません。今日の先物主導の動きは、大きな下落波動の始まりではなく、レンジ内での下落に過ぎない可能性が高いでしょう。
日経平均は目先21,000-22,250円のボックス・レンジが継続という見方を維持します。現状水準で売りポジションは軽くしてリバウンドに備えるべきでしょう。(買いポジションを作ってリバウンドを取りにいくことはお奨めしません。)ただ、もし現物主導の動きに変化して、重要なフシである21,000円を明確に割り込むようなら、見方を変更する必要があるということに留意です。