シカゴ筋ポジション-ドル円&米国10年国債先物
先週末に発表された11月5日時点のシカゴ筋ポジションのアップデートです。
まずドル円ですが、円ショートは10月29日時点の58,883枚から70,601枚に大幅増加、円ロングは39,185枚から43,996枚へ小幅増加、差し引きのネット円ショートは19,968枚から26,605枚へ増加しました。米国長期金利の上昇を受けてドル円は堅調な値動きとなっていますが、109円台が明らかに重い動きとなっており、米中の更なる緊張緩和などにより米国10年国債利回りが2%を超えて上昇しない限り、110円を上回っていくことは想定できません。逆に、制裁関税の段階的撤廃が実行されないなどの悪材料が出れば、短期ポジションの解消エネルギーはドル円下落の方向です。ただ26,605枚はさほど大きなエネルギーではなく、過去のパターンを参考にすると下落幅は最大でも2円程度と想定されます。したがって最大でも107円トライ程度ということになります。
次に米国10年国債先物のネットショートですが、8月20日時点の401,804枚から10月22日時点の84,353枚までほぼ一貫して減少が続きましたが、10月29日時点では116,066枚に小幅増加、11月5日時点では231,456枚へ大幅増加しました。その後債券先物価格はさらに下落(金利上昇)しており、ネットショートは更に増加している可能性が高いです。短期ポジションの解消エネルギーは、先物の買い戻しによる上昇(金利低下)です。
短期ポジション解消エネルギーは、ドル円は下落、債券先物は上昇(金利低下)であり、整合的です。今後想定される動きは、何らかの悪材料をきっかけにドル円は最大107円程度、米国10年国債利回りは最大1.6%程度までの低下です。その時には、米国株は下落の可能性が高いでしょう。ドル円と米国株が下落であれば、ここまで異様に底堅い日本株もさすがに下落すると思います。きっかけとなる悪材料が出るまでは、株も為替も債券も現状から大きな値動きは出ないと想定されます。