やはり日本株は上昇終了-目先はもみ合い
昨日の米国株は、米国製品のファーウェイに対する禁輸措置を90日猶予するという好材料と、中国側は米国との貿易合意に懐疑的だという悪材料が交錯し、わずかな上昇となりました。また、トランプ大統領とパウエルFRB議長との会談で、トランプ大統領がドル高に懸念を示したと伝わり、米ドルは小幅下落、米国債券は小幅上昇(金利小幅低下)となりました。
それを受けて本日の日本株は、景気敏感株主導で小幅下落となっています。香港株が小幅高で始まったことを受けて、下げ幅を縮小する動きになっていますが、景気敏感株は弱いままの状態です。前回のコメントでご説明したように、現物株の買い戻しは完全に終了したことが確認される動きであり、それは10月11日からの上昇波動が11月8日で終了したことが確認される動きです。下落波動が始まる悪材料が出るまでの間は、23,000-23,500円のも見合いという見方を維持します。
ところで、香港情勢は混乱が一層深刻化しています。デモ隊が終結している香港理工大学は警官隊に包囲され、多数の逮捕者や負傷者が出ています。この事態を受けて米国では、上院で「香港人権法案」の満場一致での可決に向けた準備が進められ、ルビオ上院議員は「中国投資禁止法案」の議会提出の準備を進めています。マコネル共和党上院院内総務は「トランプ大統領は香港情勢について発言すべきだ。香港の勇敢な男女を米国が支持していることを、世界に示す必要がある。」と指摘しています。
米中貿易協議の部分合意を目指し、それを来年の大統領選挙で「自らの政治成果」とアピールしたいトランプ大統領は、合意とは明らかに逆行する、香港情勢をめぐる中国政府非難発言は避けてきました。しかし、超党派の上下院全議員で盛り上がっている、香港に対する中国政府の対応非難に対する賛同表明を避け続ければ、それは米中貿易協議決裂とは比較にならないくらい大統領選挙に向けてネガティブになることは明らかです。近日中に「トランプ大統領が香港情勢での中国政府の対応を非難。香港のデモ隊の支持を表明」→「中国政府は態度を硬化」→「米国上院で香港人権法案可決」→「米中貿易協議決裂」となる可能性が高いでしょう。