カラ売り比率が40%割れまで低下-過去2回はその後の相場はピークアウト
日本株は、予想以上の業績悪化が示されているにもかかわらず、明らかに買い戻し主導で上昇を続けています。東証が全体の売り注文の中でカラ売りがどのくらいあったかという比率、いわゆるカラ売り比率を発表しています。このカラ売り比率はおおむね40%-50%のレンジでの推移となっており、40%を下回ると相場のピークアウト、50%を上回ると相場のボトムアウトの兆候として機能してきました。
そのカラ売り比率が昨日37.2%まで低下し、3日連続で40%を下回ってきました。過去1年間で40%を下回ったのは、2018年11月30日と2019年3月4日の2回で、どちらもその後まもなく相場はピークアウトしました。2019年3月4日の後は、同日の日経平均21,860円から1週間で20,938円までの下落、2018年11月30日の後は12月3日の22,699円から12月26日の18,949円までの下落となりました。
今回もまもなく下落が始まるとは言い切れません。ただ、カラ売りの買い戻しが一巡した状態にある、ということは間違いないでしょう。昨日の大幅上昇がいかにも買い戻しのクライマックス的な動きだったことと整合性が取れます。今回の上昇相場のきっかけが10月10日の米中部分合意だったように、下落相場が始まるにも何らかのきっかけが必要です。買い戻しが続いている間は、悪材料が出ても下落相場になりませんでしたが、今後は悪材料が下落相場のきっかけになりやすい状況に変った、という認識が必要でしょう。
業績成長という裏づけが無く、業績悪化の中での株価上昇なので、ひとたび下落が始まれば株価はもろい状況なので、明確な下落波動が始まったら意外な深さまで到達する可能性が高いと思われます。少なくとも21,000円トライはイメージできます。