米中貿易第1弾合意見通し-合意内容に注目
昨日トランプ大統領がツイッターで「米中は大きな合意に非常に近い」と発信し、その後複数の関係者から、トランプ大統領が合意案を承認し、13日にも正式発表される見通しだと伝えられ、米国株は上昇、米国債券は大幅下落(金利大幅上昇)、米ドル上昇となりました。それを受けて本日の日本株は大幅上昇となり、日経平均は11月以降の上値抵抗線だった23,500円を明確に上抜け、24,000円台に乗せてきました。
合意内容に関しての報道は、1.中国が米国産農産物を大量購入する、2.米国は12月15日に予定されている追加制裁関税の発動を見送る、3.既存の制裁関税の税率引き下げを議論した、4.中国は知的財産権侵害防止策を強化することをコミットする、とされています。1.と2.だけであれば、すでに市場は織り込んでいたと思われますが、3.と4.も含まれる可能性があることが伝えられたことを受け、市場の織り込み以上にポジティブな内容だという反応になったと考えられます。
したがって、本日正式発表されるという合意内容に上記3.と4.が実際に含まれているかどうか、が今後の市場材料です。すでに市場は「それらが含まれる可能性が高い」ということを織り込んだと思われ、実際にそれらが含まれていた場合でも好材料出尽し、もしそれらが含まれていない場合は今日の上昇分を帳消しにする、という展開が想定されます。
いずれにせよ、これでトランプ大統領も習主席も欲しかった「米中貿易第1弾合意」という政治成果を手に入れることができ、中国は「香港人権法」「ウィグル人権法」に対抗する措置を打ち出す準備に入ると思われます。それがどのようなものになるにせよ、市場に「米中対立は今後も続く」ということを理解させるには十分なものになるでしょう。