日本株の戻りは今度こそ終了
昨日米国で発表された12月の小売売り上げは、事前予想の0.1%増を大きく下回る1.2%減で、これを受けて米ドルは急落、ドル円は111円台から110円台半ばまで下落しました。米国10年国債利回りは2.70%から2.65%に下落し、FFレート先物から逆算される「市場が織り込む今年の利上げ回数」は若干ですがゼロ回を下回りました。(利下げを織り込み始めたということ)またトランプ大統領は、政府機関閉鎖を回避するために、議会で合意された予算案に署名はするが、国境の壁建設の予算を確保するために「非常事態宣言」を発動すると表明しました。
非常事態宣言とは、テロや大きな自然災害などの際に緊急対応するために、政府が議会の採決を経ずに特別法を制定できる制度です。米国では、2001年のテロ、2009年の新型インフルエンザ感染拡大、2016年の警察官による黒人男性射殺に対する大規模抗議デモなどの際に発動されました。政策実行のための予算確保を目的として非常事態宣言が発動されたことは過去に例が無く、また民主党は反対姿勢を強めており、今後の展開は極めて不透明になりました。
これらの動きを受けて日本市場では、ドル円は更に下落、日本株は大幅下落となっています。日経平均は75日線をトライしたものの抜けず、フシメの21,000円を明確に割り込んだ形となっており、戻り達成感は十分だと思います。業績発表もほぼすべて終了し、米国、中国、欧州など外部環境に市場の注目が移行しやすい時期ということもあり、日本株は目先調整色を強めていく可能性が高いと思います。
ただ、10-12月の下落で買いポジションが整理され、年初からの戻りでカラ売りポジションが整理された後なので、一気に下に大幅に動く状況とは思えません。目先の下落余地は20,000円トライ程度で、その後は20,000-21,000円でのもみ合いをメイン・シナリオとします。