日本の1月貿易統計-中国経済の予想以上の減速を示唆
本日発表された日本の1月の貿易統計は、輸出が事前予想の5.7%減よりも弱く8.4%減で、貿易収支(現数値)は事前予想の1兆261億円の赤字を上回る1兆4,152億円となり、7ヶ月連続の貿易赤字となりました。普段はあまり日本の経済統計に対する私の注目度は高くないのですが、今回の貿易統計は中国経済の予想以上の悪化が示唆されており、注目に値します。
輸出の地域別の変化(1月輸出額と10-12月3ヶ月平均輸出額との比較)を見ると、米国向け2.3%減、欧州向け0.2%減、中国向け14.0%減、中国以外のアジア向け8.4%減と、中国をはじめアジア向けが際立って弱いです。これは中国経済はもちろん、中国以外のアジア地域も中国経済減速の影響で、経済活動が減速していることを示唆します。経済活動の先行指標となる機械受注は、10-12月期4.2%減(前期比)、1-3月期見通し1.8%減(同)となっており、底入れの兆しは見えていません。受注減少の大きな原因は中国からの受注減少であり、中国経済の減速は今後も継続します。
日経平均は、月曜日に75日移動平均線(現在21,156円)を越え、本日の高値21,495円は12月の下落の3分の2戻し(21,449円)達成となりました。過去の経験則では、「3分の2戻しを達成すると、全値戻し(22,699円)もあり得る」なのですが、日本企業の利益依存度の高い中国経済が上記のような状況で、実際に関連企業の業績にはっきりと悪影響が顕在化している以上、買い戻し以外の買い主体が株価を買い上がるとは思えません。
本日も日本株は続伸の動きとなっていますが、個別銘柄の動きを見ると、以前とは違い買い戻しの動きは無く、先物主導の動きと言えます。買い戻し終了は、大幅に上昇するエネルギーがもはやなくなったことを意味します。しかしながら、戻り終了を決め付けることなく、売り目線(どこで買うかではなくどこで売るかを考える)での様子見継続です。