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2019年3月12日のマーケット・コメント

株は目先ボックス相場を想定

 

先週は景況感悪化から、世界的に株式市場は調整となりましたが、先週末の米雇用統計で非農業部門雇用者数変化が事前予想の18万人増を大幅に下回る2万人増だったにもかかわらず、失業率は予想以上に低下、平均時給は予想以上に増加だったことから、弱気材料にならず無難に消化されました。今週は、米国株が堅調に推移したことで、日本株も2日続伸の動きとなっています。

 

実体経済の悪化は続いています。昨日発表された2月の工作機械受注は、中国からの需要減速の影響が広範囲に波及し始めたことから、前年同月比29.2%減でした。「今は悪い」は全員共通の認識ですが、工作機械企業の経営者も証券会社のアナリストも「受注は今が最悪期」と「受注の底はまだ見えない」という二つの意見が混在している状況です。「今が最悪期」なのであれば、関連銘柄の株価の下値余地は限定的で、今は売るときではないという結論になりますが、「底打ちは見えない」のであれば、株価の下値余地はまだまだ大きいので、今は売るべきときという結論になります。

 

私は「底打ちは見えない」を支持しますが、市場はどちらを織り込むべきなのか、まだしばらく気迷いの状態が続くでしょう。設備投資関連、半導体関連を主導に、ボックス圏の中を上下する相場がしばらく続きそうです。日経平均は、22,000円手前で跳ね返されたが、21,000円割れは底堅かった、という動きとなっており、目先は上下どちらにも抜けそうにありません。現在、200日線が22,006円、75日線が21,072円に位置していることもあり、日経平均は当面21,000-22,000円のボックス相場を想定します。

 

次に控えている大きなニュースフローは、米中貿易合意(米中首脳会談の日程はいまだ未定)、3月の主要経済統計(4月はじめから)、1-3月期企業業績発表(米国では4月半ばから、日本では4月第4週から)、となっています。どれも少なくとも好材料にはならず、なるとすれば悪材料だと考えられますので、最終的にはボックス圏を下抜けると思われますが、それまでまだしばらく時間があります。