日本株の今日の急反発は短命か
昨日大幅下落した日本株ですが、今日は大幅上昇となっています。ドル円も米国株も横ばいだったのにもかかわらず、今日の日本株が上昇している背景には、本日が3月期待つ配当の権利付き最終日という特殊要因だと思われます。日経平均やTOPIX連動ファンドの運用者は、3月期末配当金を再投資するのですが、実際に配当金が入金するのは6月終わりになってしますため、それまでの期間は同金額の先物を買い建て、その分のポジションを維持します。期末予想配当金がほぼ固まり、指数連動ファンド運用者は今日先物を買い建てています。
実際に個別銘柄の動きを見ると、特段の特徴は無く、本日の上昇は完全に先物主導となっています。もう一つ先物に関して重要なことは、ここ最近、外人投資家は現物株は売り越しが続いている一方で、先物は大幅な買い越しが続いていることです。年明け以降の、外人投資家の累計先物買い越し額は約2兆6,000億円となっています。現物は売りこしだが先物は大幅買い越しという現象は、昨年9月にも見られました。その直後の10月から相場の急落が始まったことは記憶に新しいところだと思います。
先物を買い越している外人投資家は、マクロ系の大型ヘッジファンドとCTAが中心だと思われますが、両者ともに短期投資家であり、相場の方向性が変わったとなれば一気に売りに転じる投資家です。FRBにもはやハト派シフトの余地がない中で、世界的に景気減速感は着実に強まっている、というファンダメンタルを考えれば、今日の日本株の動きは違和感があり、特殊要因による一時的な押し上げと解釈すべきでしょう。今日の引けで先物をトレーディングで売るのもいいかもしれません。