3月FOMC議事録-無風通過
昨日、3月20日FOMCの議事録が発表されました。3月FOMCでは、ドットチャートが示すFOMC関係者の今年の予想利上げ回数が、前回(12月FOMC)の「2回」から「ゼロ回」、バランスシート縮小(保有債券残高の削減)停止が、前回(1月FOMC)の「年内を目処に」から「5月に減速開始して9月に完全に停止」にそれぞれ変更され、究極のハト派シフトが行なわれました。
議事録では、「経済動向の見通しと見通しへのリスクから判断すると、政策金利誘導目標を年内変えずにいることが正当化される公算が大きい、と過半数の参加者が予想した」と、予想利上げ回数がゼロ回に変更された背景が説明されました。ただ、「政策金利の適切なレンジへの見解は、今後のデータやその他の動向により、どちらの方向にも変わりえるとの見解を何人かの参加者が示した」とされ、次の変更は利下げとは限らず利上げもありえることに含みを持たせました。
市場は議事録の内容を「想定通りのハト派シフトが確認された」と受け止め、米国株小幅上昇、米国債券小幅上昇(金利小幅低下)、金利低下を受けて米ドル小幅下落という反応となりました。また、議事録発表前に発表された3月米CPI(消費者物価指数)が予想を下回ったことが、FRBのハト派シフトを後押しする、と市場が受け止めた可能性があります。
FOMC議事録を通過したことで、目先の注目材料は企業業績発表となりました。Brexitはもはや市場材料にはならないでしょう。日本株市場では、先週に景気敏感株が一段と上昇し、今週もそのままの状態にありますので、市場想定以上の業績減速が示されれば株価の下落反応は大きくなると想定されます。日本の企業業績発表が本格化するのは今月最終週からで、それまでは個別銘柄の大きな動きは想定しにくいですが、今日引け後の安川電機(6506)の業績発表内容と明日以降の株価反応に、まずは注目です。