ファナック(6954)業績発表-2年連続のネガティブ・サプライズ
本日引け後にファナック(6954)が業績発表を行ないました。前期実績営業利益は、1月31日に1,479億円に小幅下方修正された会社予想を上回る1,633億円でした。2017年度実績は2,296億円だったので、29%営業減益という実績です。営業利益を四半期ごとに見ると、4-6月期545億円、7-9月期439億円、10-12月期357億円、1-3月期292億円と、モメンタムの失速が続いていることがわかります。
注目は今期の業績見通しです。売り上げが16%減の5,369億円、営業利益が54%減の757億円と大幅減収減益見通しです。なお上半期の予想が売り上げ2,664億円、営業利益413億円なので、下期の見通しは売り上げ2,705億円、営業利益344億円と、微増収減益の見通しとなっています。下期に根拠のない回復は見込まず、現状状態が続くと見たのでしょう。なお、1年前も営業利益見通しを34%減益の1,517億円と発表し、市場ではあまりにも悲観的と捉えられましたが、結果はほぼその水準となった実績があります。なお、今期営業利益予想の市場コンセンサスは1,333億円で、今回会社発表の757億円は明らかにネガティブですが、今回もあまりにも悲観的と評価されるのでしょうか?
なお、757億円という営業利益水準は、リーマン・ショック直後の2009年度の550億円以来の低水準です。その時期の株価は10,000円に満たなかったことを考えると、現状の株価水準からの下落余地は大きいでしょう。当面の下値目標は、2016年と今年年初につけた安値15,000円水準でしょう。
本日業績発表されたほかの銘柄を見ても(数字はすべて営業絵利益)、キャノン(7751)は5.2%減益見通しを20.1%減益に下方修正、日立建機(6305)は26.4%減益見通し、オムロン(6645)は15.2%減益見通しと、どれも市場コンセンサスを下回っています。年初来の株価の戻りが大きかった銘柄ほど、株価の下落余地は大きいでしょう。ただ10連休前には、積極的な銘柄入れ替えは手控えられる可能性が高く、景気敏感業種の本格的な株価下落は10連休明けの可能性が高いと思われます。