ミョウジョウ・アセット・マネジメント株式会社の運営する会員制金融情報サイトです。

2019年4月4日のマーケット・コメント

景気敏感買い&内需・ディフェンシブ売りの入れ替えは一巡か

 

3月31日の中国製造業PMIの予想以上の回復以降、今日の前場まで、中国関連銘柄と半導体関連銘柄を主導とした、戻り相場が続きました。一方で、内需・ディフェンシブ銘柄は売られ続けていて、カラ売りの買い戻し主導ではなく、内需・ディフェンシブ銘柄を減らし景気敏感銘柄を増やす、という入れ替えが背景だと思われます。(おそらく、内需・ディフェンシブがオーバーウェイト、景気敏感がアンダーウェイトの状態を、両方とも中立に戻す動き)おそらく、期が変わって動きが取りやすくなった一部の中長期投資家(おそらく国内)が、米中合意に対する警戒感を理由に、業種ベットを解消する動きだったと思われます。

 

その動きが今日の後場になって急速に消えてきています。中国関連銘柄などの株価は、予想される業績動向との比較で非常に割高な水準まで戻っており、これ以上買い上がる投資家が存在することは想定しにくい状況です。カラ売りの買い戻しは、すでに1月中に大半が終了し、残りも2月中には終了していると思われ、買い主体にはなりません。日経平均も今日の高値21,788円は、3月期末の配当落ちを戻したベースで22,000円手前の水準で、上値抵抗線と見られます。

 

今月最終週から、2018年度業績実績と2019年度見通しの発表が本格化します。それまでの向こう約2週間は、もっぱら貿易問題などの政治ニュースや経済統計により株価が動かされ、レンジの中をもみ合う展開が想定されます。想定される日経平均のレンジは21,000円割れ-21,800円です。業績発表が本格化する今月最終週は、今期の減益織り込みと10連休前のポジション整理で下落する可能性が高いと思います。GW明けは短期的に一旦戻すかもしれませんが、証券会社各社が発表する今期業績見通しの下方修正により、あらためて下落する、というイメージです。

 

米中貿易交渉ですが、明らかに米国側の譲れない2点は「中国がこれまで知的財産権保護に不十分な対応を取ってきたことを認め、今後の是正を約束すること」と「中国が公約を履行しているかどうかを、米国が一定期間検証すること」でしょう。ただ中国としては、この2点については譲歩できないでしょう。その2点を言葉を変えれば「中国はこれまで知的財産権の窃盗行為をしてきたが、今後はしません」「これまで悪いことをしてきた中国が、口約束ではなく本当に態度を改めるかどうかを、米国に確認してもらう」となります。どちらも中国にとっては、認めればメンツ丸つぶれになってしまうのです。トランプ大統領としては、米中交渉決裂で米国株下落という事態は避けたいでしょうから、おそらく交渉の長期化という選択になるでしょう。市場の好材料になる可能性は低いと思われます。