シカゴ筋ポジションの整理進行中
先週末に発表された5月21日時点のシカゴ筋ポジション(非商業ベース)ですが、円ショートが5月14日時点の97,495枚から82,732枚へ大幅減少、円ロングも35,915枚から27,540枚へ大幅減少し、差し引きのネット円ショートは61,580枚から55,192枚へ減少となりました。5月7日時点では円ショートが117,586枚、円ロングが25,869枚でしたから、円ショートは2週間で約35,000枚の大幅減少、円ロングは5月14日に増加した分がほぼすべて減少したことになります。やはりキャリー(金利差による保有損益)が払いになる円ロングは長くは持ちたくない、ということでしょう。円ショートの今年の最低は、2月5日時点の52,162枚だったので、まだ3万枚程度のポジション調整余地があるといえますが、今年の最高が4月23日の122,535枚だったことを考えると、順調にポジション整理が進んできている、とも言えるでしょう。
2016年以来ドル円の最も強い決定要因になっているのは、日米長期金利差(日本の金利は基本的にゼロ近辺での推移なので、金利差=米国長期金利水準)ですが、米国10年国債利回りは現在2.32%と、ほぼ1回の利下げを織り込んだ水準にあります。利下げの織り込みが1回を越えて進むとは思えないため、米国10年国債利回りもレンジの下限近くにあると考えられ、ドル円の下落余地も限定的だと思われます。また今月の為替市場の動向は、円高、米ドル高、新興国通貨安となっていますが、円高進行が基調となる理由は見当たらず、市場のリスクオフ的な雰囲気がなくなりさえすれば、ドル円は110円台回復となると思われます。ドル円の109円台は素直に買い場と捉えるべきでしょう。
日本株は特段の材料がない中で小動きとなっていますが、景気敏感業種売り、内需・ディフェンシブ業種買いは、先週ほどの勢いはなくなったものの、方向性としては続いています。6月19日のFOMCや6月末のG20までは大きな材料は無く、本日の様に指数が小動きの中でファンド・マネージャーが粛々と銘柄入れ替えを進める相場が続く可能性が高いでしょう。