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2019年6月21日のマーケット・コメント

ドル円はフシメ下抜け-買い下がりは明確な底打ち反転を確認するまで停止

 

ドル円は昨日の米国市場で、フシメと思われた107.50円を明確に下抜けし、現在は107円トライの動きとなっています。この水準から下は、2018年3月と2019年1月(フラッシュ・クラッシュ時)に付けた105円割れまでフシメがありません。107.50円から下の滞留時間は短いと思われるものの、明らかに下落モメンタムは強まっており、瞬間最大でどこまでの下落があるかわからない状況になりました。

 

ドル円が下落トレンド入りしたとは考えられず、現在保有しているドルを投げ売りすべきとは思いません。しかし、明確な底打ち反転を確認するまでは、買い下がりは停止すべき局面だと思います。「明確な底打ち反転」をどう判断するかですが、直近安値からの戻り幅を見るのがもっともわかりやすいでしょう。その戻り幅の大きさですが、過去の経験則によれば0.50円の戻りではダマシだったことはありますが、1円の戻りはダマシとなった記憶はありません。

 

また、107.50円のフシメを明確に回復した場合も、底打ち反転と見ていいでしょう。本日の安値は107.04円ですので、例えば107.60円までの戻りは0.56円幅の戻りで1円に満たないですが、その場合は1円にこだわる必要はない、ということです。

 

昨日S&P500は史上最高値を更新しましたが、日本株は業績悪化懸念が米国株よりも高い上に、日銀の追加緩和余地がなく、緩和の恩恵を受けられないことから、21,500円水準を明確に上回って上昇することはない、という見方を維持します。日本株下落が、短期的にせよ更なる円高進行に繋がるリスクにも留意が必要でしょう。