日本株は業種入れ替え継続中
本日の日本株は、昨日の米国株が続伸しいたものの、ドル円の戻りが弱いせいか、日経平均やTOPIXはほぼ横ばいでの小動きとなっています。しかし銘柄ごとの動きを見ると「景気敏感売り&内需・ディフェンシブ買い」が、かなり強く現れています。売られている景気敏感業種も、買われている内需・ディフェンシブ業種も、何か特定のテーマに沿った動きではなく、主力大型株が幅広く売買されています。
この背景は明らかに、中長期投資家の業種配分変更です。別の言い方をすると、資産配分の変更ではありません。(5月23日付コメント参照)世界的な景況感悪化により、景気敏感業種を減らしたかった一部の中長期投資家が、昨日一昨日に買い戻し主導で景気敏感業種が上昇したことを受けて、業種入れ替えを決断したと推察されます。
問題は、どの程度の中長期資金運用者が上記のような業種入れ替えを終えたか、ですが、それを推察する方法があります。主要運用会社は年金などの中長期資金を運用すると同時に、公募投資信託も運用しており、中長期資金と主力日本株投信(運用外社名のあとに「日本株オープン」とか「ジャパン・オープン」という名前が付いている投信)は通常の場合、同様に運用が行なわれています。そこで主要運用会社の日本株主力投信の値動きを見ます。
今日の値動きはまだ見られませんので、直近に最も特徴的な値動きをした6月4日の値動きに注目します。この日は指数はほぼ横ばい(TOPIXは+0.01%)でしたが、買い戻し主導で景気敏感業種が大きく反発した日でした。つまり、景気敏感業種がオーバーウェイトになっているほどこの日の騰落率は大きなプラス、アンダーウェイトになっているほど大きなマイナスになったはずです。私がモニターしている23の主力日本株投信のうち、10の投信がプラス、13の投信がマイナスで、23の平均は-0.11%でした。以上からいえることは、業種入れ替えは登山で言えば6合目あたり、ということです。
対メキシコ関税が取りやめになれば、指数の上昇と主に、カラ売りの買い戻し主導で景気敏感業種が短期的には反発する可能性が高いですが、買い戻し一巡後はまだ業種入れ替えの余地があるため、5月から続いている「景気敏感売り&内需・ディフェンシブ買い」の基調に戻るでしょう。