米国市場は再び7月31日の利下げ幅0.50%を織り込みに-日本株は仕切りなおし
昨日米国で、ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁が「経済に危うい兆候が出てきたら、中央銀行は速やかに行動する必要がある」と述べたことを受け、市場が織り込む7月31日FOMCでの利下げ幅は0.335%から0.42%に上昇し、米国10年国債利回りは2.05%から2.02%に低下しました。米国株は小幅上昇、米ドルは全面安となり、ドル円は一時107.21円まで下落しました。
ドル円下落にもかかわらず、本日の日本株は昨日の下落分をほぼ埋める上昇となっています。昨日の日本株は、海外株式市場に比べて下げ過ぎ感があったことに加え、台湾半導体大手のTSMCが半導体市場の先行きに回復感を示したことで、半導体関連銘柄の上昇が目立っています。他にも、中国関連銘柄や電子部品銘柄など景気敏感業種が上昇を牽引しており、主に買い戻しによる上昇と見られます。日本株は業績懸念で昨日一旦売られたが、仕切りなおしという形です。
今日の上昇は、米中貿易協議の継続を確認したことを受けた7月1日の上昇と相似しており、買い戻し主導で値幅は出るが継続性はない、と判断されます。日経平均もTOPIXも7月の高値を上抜けることは想定できません。とは言うものの、本格的下落はやはり、企業業績がある程度出揃い、大注目の7月31日FOMCが終了する8月、という想定に変化はありません。日経平均はフシメの21,000円でサポートされた形になり、今月中は21,000-21,500円を中心とするレンジでのもみ合いとなる可能性が高そうです。本日のように、今月中に戻ったところは8月の下落に向けて売り場と捉えるべきでしょう。
ドル円ですが、6月25日の106.78円を割り込まなかったこと、米国10年国債利回りも7月3日の1.95%を割り込まなかったこと、およびシカゴ筋の円ショートのポジション整理は既に終了していることから、安値を下抜けていく可能性は低いと思われ、現状の107円台半ばは買い姿勢で問題ないでしょう。
私は依然として、7月31日FOMCでの利下げ幅は0.25%だと予想していますが、仮に0.50%となったとしても現状の市場織り込みと比較すればサプライズ感は乏しく、米国金利やドル円の更なる下落リスクは小さいと思います。逆に市場の織り込みに反して(現状の織り込みが7月31日まで続いた場合)、利下げ幅が0.25%だと、ドル円は109円台、米国10年国債利回りは2.20%程度まで、一気に反転する可能性もあるでしょう。