今日の日本株は奇妙な強さ-素直に売り場と捉えるべきか
昨日の米国株は小幅上昇、ドル円はほぼ変わらずでした。CMEの日経平均先物の引けは21,400円と小幅上昇でした。しかし本日の日本株は寄り付きから30分間上昇を続け、前日比200円以上の上昇となりました。ドル円は小幅上昇して108円台回復となっていますが、日本株上昇の理由にはなりません。朝方に、米国債務上限問題が大筋合意に達した、との報道がありましたが、米国株時間外先物はほとんど反応しておらず、これも理由にはなりません。
業種ごとの動きを見ると、景気敏感業種がやや強く、内需・ディフェンシブがやや弱い傾向はありますが、米国株で強かった半導体関連を除くと、さほど強い傾向があるわけではなく、先物主導の上昇だといえます。先物の出来高も少なく、業績発表やFOMCを控えて動きが取り辛く商いが薄い中で、一部の投資家が何らかの事情で先物に買い戻しを入れてきた、としか解釈できません。
理由が判然としない上昇で気持ち悪さはありますが、何かの好材料に対する織り込みが始まったとは考えにくいです。考えられるとすれば、明日から本格的に始まる業績発表で、警戒感は十分に織り込まれ、今後は底打ち反転を織り込みに行くことを先取りしている、という可能性はありますが、実際の業績発表内容によっては全く逆になる可能性もあり、上昇の持続性には疑問がもたれます。
7月31日FOMCの利下げ幅の織り込みが、予想通り0.25%に収斂しつつある中、少なくとも今月中は良くも悪くも外部環境の大きな変化はないと考えられ、日経平均も今月の高値21,784円(7月2日)を上抜くとも、今月の安値20,993円(7月18日)を下抜くとも思えません。現状水準はそのレンジの上限近くであり、素直に売り場と捕らえるべきだと考えます。