シカゴ筋では完全にポジション整理終了-107円台があったら迷わず買い増し
7月2日時点のシカゴ筋ポジション(非商業ベース)ですが、円ショートが6月25日時点の41,237枚から35,425枚へ減少、円ロングが31,090枚から34,198枚へ増加、差し引きのネット円ショートは10,147枚から1,227枚とほぼゼロに近い水準まで減少しました。これは2018年3月27日から6月12日まで、ゼロをはさんで小幅な増減が続いた時期以来の低水準で、シカゴ筋の円ショートのポジション整理は完全に終了したと見ていいでしょう。
雇用統計を受けて、行き過ぎた利下げ織り込みの修正による反発が継続しており、米国金利は横ばいの中でドル円は現在6月高値の108.80円を上抜く動きとなっています。(108.80円を上抜くには米国10年国債利回りが2.10%程度まで上昇する必要がある、という昨日の私の予想は早くもはずれました。)ただ、7月31日FOMCを経て、市場コンセンサスが年内の幅は最大で0.50%となるまでは、ドル円の上値余地は110円手前までと思われますので、現状水準からの上値余地は1円程度に限られることになります。したがって、現状水準では積極的に買い増すべきとは思いません。
ただし、何らかの要因でもし107円台に調整することがあったら、そこは迷わず買い増しです。以前からご説明している通り、日米金利差により円ショート(ドルロング)は保有が金利の「貰い」円ロング(ドルショート)は金利の「払い」になります。円ロング(ドルショート)は、いわば時間が敵になるので、長く保有することには強い抵抗感があるはずです。円ショートが整理された以上(日本の短期投資家ポジションは整理されたと断定は出来ませんが)、ドル円が下落するということは円ロング(ドルショート)の増加が背景となるはずです。しかしそのポジションは長く保有されることはなく、いずれ解消され円売りドル買い要因となります。すなわち、今後もし107円台に調整することがあっても、時間の問題で反転が予想される、ということです。
また、当面の上値目処は110円手前ではありますが、そこでポジションをすべて解消するのではなく、ある程度はドルロングの保有を継続すべきです。私の予想する上値目処が必ずしも当たるとは限らない、保有が金利の「貰い」になる、という理由のほかに、7月31日FOMCの内容は、市場が期待している以上にハト派的なものになるより、市場が期待しているほどハト派的ではないものになる可能性が高いと思われるからです。その場合は、110-112円を中心とする元のレンジに戻る可能性もあるでしょう。
日本株は、7月11日の安川電機(6506)から業績発表が始まります。発表される数字自体がネガティブ・サプライズになるということではなく、業績発表後の説明会などで下期回復シナリオに疑念が出てきて、株価下落となるというイメージです。下落の本格化は今月ではなく8月と見ます。