またトランプ・サプライズ
昨日、トランプ大統領はツイッターに、9月1日から3,000億ドルの中国製品に10%の関税を発動する、と書き込みました。それを受けて、米国株下落、9月18日に再び利下げがある確率が高まったということで、米国債券は大幅上昇(金利大幅低下)、年末までに市場が織り込む利下げ幅は0.31%から0.455%に上昇、ドルは下落してドル円は107円台前半に急落しました。トランプ大統領のツイートで、昨日のコメントでご説明した、FOMC後に立てたシナリオがひっくり返されました。
しかしドル円の107円前半は買いだと思います。理由は以下の通りです。
1.市場が織り込む年内の利下げ幅は、ドル円が直近安値(106.78円)をつけた6月25日時点の0.515%を下回っていないこと。
2.ドルインデックスは、昨日ほとんど下落しておらず、ドル円急落は円の全面高によるものだが、米中貿易戦争激化で円が買われ続ける理由はないこと。
3.シカゴ筋ポジションでは、ネット円ショートはほとんど積みあがっておらず、円の買い戻しによる円高進行のエネルギーがないこと。
今後発表される米国主要経済指標の強弱により、9月利下げ確率や年内の利下げ幅の織り込みが変化し、当面は107-109円のレンジの動きが想定されます。FOMCで明確に「継続的利下げはない」と表明した以上、経済指標の相当な悪化や米国株の相当の下落がない限り、9月の利下げはないと考えられ、ドル円は直近安値の106.78円を下抜けることはないと考えます。
一方、日経平均の21,000円は買いではない、と考えます。21,000円は6月に2回、7月に1回サポートとして機能しました。それ以前も何度もサポートとして機能しており、強いフシです。しかし、続々と発表が続いている日本企業の企業業績の内容は、明らかに想定を下回る弱いものです。日経平均は21,000円を下回り、少なくとも2月安値および6月安値水準の20,300円程度をトライする動きになると思います。
書いているうちにドル円は106.85円まで下落し、106.78円トライの動きになっていますが、見方は変えません。