予想以上に日本企業の業績は悪い-下期見通しは「とりあえず放置」の状態なだけ
本日の日経新聞1面に、日本の企業業績に関する記事が掲載されています。それによると、「上場企業全体の4-6月期の純利益は前年同期比で14%減となった。今期の純利益は4%減となる見通し」とあります。4-6月期に14%減だった純利益が、通期では4%減まで減益率が縮小する見通しである理由は、多くの企業が「下期回復」を見込んだ業績予想を発表していることですが、下期回復を予想する根拠は見当たりません。
下期に業績が回復する可能性自体を否定しなくても、今回の4-6月期業績発表で会社が発表している通期見通しの多くは「足元は想定以上に弱く、4-6月業績は計画割れだった。業績見通しは下方修正の必要があることは認識しているが、いくらに修正すべきか現時点では見通せないので、とりあえず下期計画は据え置きとする」という内容です。
たとえば、昨日業績発表を行なった企業を見ると、三井金属(5706)は、4-6月期純利益は前年同期比43%減の26億円、上期見通しは90億円から30億円に下方修正されましたが、通期見通しは170億円のまま据え置きでした。ダイフク(6383)は、4-6月期純利益は前年同期比53%減の52億円、上期見通しは163億円から120億円に下方修正されました。通期見通しも382億円から335億円に下方修正されましたが、ほぼ上期の下ぶれ分と同額であり、下期計画はほとんど変わっていません。
他にも多くの企業が同様の発表を行なっており、3ヵ月後に行なわれる4-9月期業績発表の際、あるいはそれ以降に、通期業績見通しは確実に下方修正されることが見込まれます。市場では「今期10%以上の減益」を織り込んでいるとは思えず、今後の通期業績見通しの目線の切り下がりによる株価下落余地はまだまだ大きいと思われます。
本日の日本株は、昨日の米国株の大幅反発を受けて反発していますが、日本企業の業績の悪さが明確になったことに加え、米国株の高値波乱はまだ終わっていない可能性が高いと思われ、日経平均の戻りは今日の水準でいっぱいいっぱいと思います。売り姿勢継続です。