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2019年9月13日のマーケット・コメント

バリュー対グロース続報-今回のバリュー株相場は短命か

 

9月10日11日の2日間は、「バリュー株買い&グロース株売り」が鮮明でした。ところが昨日は相場付きは一変し、ややグロース優位の展開でした。そして本日はまた相場付きが変わり、本日はバリュー、グロースという切り口ではなく、「景気敏感売り&内需・ディフェンシブ買い」となっています。今週はTOPIXや日経平均は上昇を続けましたが、相場付きは日替わりで変化しています。特に、バリュー株相場の原動力となっていたはずの米国長期金利上昇が昨日の米国市場で起こったにもかかわらず、本日はバリュー株相場とは全く違う相場付きになっており、整合性が取れません。

 

このちぐはぐな動きが意味するのは、おそらく今回の「バリュー株相場」が、やはり2016年後半などと違い、景況感回復を織り込んだ息の長いものではなく、あくまでも短期的な行き過ぎの修正に過ぎない、ということだと思います。日経平均の22,000円、ドル円の108円は戻り達成感のある水準であり、ここからの上値は期待できないと考えます。

 

来週9月18日にFOMCがありますが、FOMCを境にして市場動向が逆になることが往々にしてあります。今回の9月5日以降の市場の動きは、株高、債券安、ドル円上昇、バリュー株出遅れ修正、でしたので、FOMCを境にこれらの動きがすべて逆になり、株安、債券高、ドル円下落、バリュー株下落という8月同様の動きに戻る可能性があるでしょう。

 

ただ、どの市場でも直近高値や直近安値を更新するほどの大きな動きにはならず、大きな動きが出るのは景況感や企業業績に対する懸念が一段と悪化することが見込まれる10月以降でしょう。