イランが攻撃開始-ショック安か下落継続化の見極めは明日
日本時間の8時30分ごろ、イランが米軍が駐留するイラクのアル・アサド基地にミサイル攻撃を行い「殉教者ソレイマニ作戦」を開始したと伝えられました。米国とイランの軍事衝突をめぐり市場は、一昨日はリスク・オフ、昨日はその反動でリスク・オンという反応でしたが、イランが攻撃開始したことで本日は再びリスク・オフとなっています。
イランが裏で支援するシーア派テロ組織による攻撃ではなく、イラン国営テレビがイラン軍による攻撃と報道したことを受け、米国によるイラン攻撃は不可避でしょう。トランプ大統領は、24時間以内には何らかの声明を発表するものと思われます。
前回のコメントで、株式市場の下落がショック安で終わるのか、継続的下落になるのかの見極めは「株式市場の下落が、先物主導から現物主導に変わる、すなわち景気敏感株主導の下落に変わるかどうか」が重要、とご説明しました。その点では、一昨日の下落、昨日の上昇、本日の下落ともに、先物主導の動きが続いています。ただ本日は、寄り前に攻撃報道があって間もないため、中長期投資家が動き出すにはあまりにも時間がない状況です。本日の米国株市場、それを受けた明日の日本株市場で、依然として先物主導の動きが続くのか、それとも現物主導に変わるのかが重要です。
追記:前場引け後に「米軍関係者の死者は確認されていない。」との報道や、トランプ大統領の「すべて問題ない」とのツイッターの書き込みを受けて、リスク・オフ反応が急速に縮小してきました。イラン側も「相応の報復は終了した。戦争は望んでいない。」との声明を発表しました。真偽は定かではありませんが、米国側に死者が出ていないとすることで、米国はイランへの大規模攻撃を見送り、軍事衝突の激化を食い止めるシナリオを選んだ可能性があります。市場下落はとりあえずショック安で終わり、今後は1月9日の安川電機の業績発表や1月15日の米中貿易合意調印などに、市場の注目点は移っていく可能性が出てきました。