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2020年1月9日のマーケット・コメント

安川電機(6506)業績発表-受注は底打ちではなく底ばい

 

本日16時に安川電機(6506)が9-11月期業績を発表しました。9-11月期営業利益は43.4億円(前年同期比64%減益)、3-11月9ヶ月累計では営業利益167.9億円(前年同期比60%減益)で、会社は通期営業利益予想250億円(前年比50%減益)を据え置きました。通期予想に対する9ヶ月累計の進捗率は67%で、未達リスクは低くありません。また会社は期末配当予想52円を据え置きましたが、今期の会社予想EPSは72.5円なので、配当性向は72%という高水準になります。

 

今後を予想する上で重要な受注動向ですが、9-11月の全社ベースの受注は前四半期比2%減、前年同期比11%減でした。受注モメンタムを見る上で重要な前四半期比を地域別に見ると、国内6%減(6-8月期は17%増)、米国8%減(同5%増)、欧州27%増(同34%減)、中国3%減(同23%減)、アジア12%減(同4%減)となっています。中国は減少率は小さくなりましたが依然として減少、国内と米国は減少に転じました。欧州は前四半期の大幅減少の反動と思われます。

 

アナリスト・コンセンサスでの営業利益予想は、今期272億円、来期412億円となっていますが、受注が底打ちではなく底ばいの状況が続く中、来期の業績大幅回復予想の根拠は見当たりません。

 

おそらく強気派アナリストは、前四半期比受注でモーション事業(6-8月期7%減→9-11月期微減)、ロボット事業(6-8月期7%減→9-11月期2%減)で受注持ち直しがみられるという点を強調してくると思われ、明日以降の安川電機の株価に対する下落反応も市場全体に対する悪影響も限られるでしょう。しかし今月終盤に多数の企業が業績発表を行い「受注動向は底打ちではなく底ばい」であることを示すようになれば、市場は来期の業績大幅回復シナリオには疑問を持たざるを得なくなるでしょう。