コロナウィルス感染状況の実体推察(憶測?)
新型コロナウィルスの感染拡大が止まりません。米ジョンズ・ホプキンス大学が集計している感染マップによると、現時点での感染者数は44,850人、死亡者は1,113人(https://gisanddata.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/bda7594740fd40299423467b48e9ecf6)になっています。ただしこの数値は「感染確定」の人数のみで、「感染疑い」は含まれていないことに注意が必要です。
武漢のある火葬場での取材報告が興味深いものでした。それは
「火葬場に送られてくる死者数は通常の4倍から5倍になっており、火葬場は24時間稼動している。今日は127人が送られてきた。そのうち8人が感染確定、48人が感染疑いだった。およそ40%は病院からの搬送だが、およそ60%が自宅からの搬送だった。」
というものでした。
この取材報告から得られる情報は以下の通りです。
1.通常の4倍から5倍が127人ということは、通常は25-30人程度。通常よりも100人程度多い。
2.感染確定の死者数の6倍程度、感染疑いの死者が存在する。
3.通常よりも100人程度多い中で、8人の感染確定と48人の感染疑い以外の、44人程度はどちらでもない。
4.127人のうち、40%の51人程度が病院から、60%の76人程度が自宅からの搬送。(感染確定8人と感染疑い48人の合計は56人)
ここからは上記情報に基づく憶測です。
「発表されている感染者や死亡者の数の6倍程度、感染疑いが存在する」
上記の発表数値を6倍すると、感染疑いは269,100人、感染疑いの死者数は6,678人となります。
「感染疑いとほぼ同数が、病院で診察も受けられず自宅で死亡している」
上記数値を参考にすると、在宅感染者はおよそ250,000人、在宅死亡者はおよそ6,000人と計算されます。
これらを総合すると恐ろしいことが浮かび上がります。感染確認の44,850人(確定値)、感染疑いの269,100人(推計値)、在宅感染の250,000人(推計値)を合計すると563,950人、感染確定死亡者1,113人(確定値)、感染疑い死亡者6,678人(推計値)、在宅感染死亡者6,000人(推計値)を合計すると13,791人となります。つまり、感染者数も死亡者数も実体的には正式発表されている人数の約12.5倍なのではないか、と推察されるのです。
*上記は「たった一つの火葬場」での「たった一日の出来事」に基づくもので、統計的推計にはサンプル数があまりにも少なく、推計というよりも憶測というべき内容であることを申し添えます。
報道によると、武漢はもちろん、北京や上海などの多くの主要都市でも、人通りはまばらで明らかに経済活動は大幅に落ち込んでいるはずです。2月分の中国経済統計の発表で経済的悪影響が定量化されるはずで、2月29日発表予定の政府PMI、3月2日の民間PMI、3月10日のインフレ統計、3月16日の鉱工業生産、小売売り上げなどに注目です。統計数値の改竄や統計数値発表の延期などがないことを望みます。