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2020年2月26日のマーケット・コメント

今日日本株は米国株に比べて下げ渋っているが・・・

 

24日のS&P500は3.35%の下落だったのに対して、25日の日経平均は3.35%の下落、TOPIXは3.33%の下落と、米国株の下落率とほぼまったく同じ下落率でした。ところが25日のS&P500は3.03%の下落だったにもかかわらず、本日9時15分時点の日経平均は1.08%の下落、TOPIXも1.08%の下落に留まっています。ドル円は110円台での若干の下落になっており、日本株が米国株に対して下げ渋る理由が見当たりません。

 

ここ2日間の米国株には先物だけでなく、明らかに現物株の売りが出ています。しかしここ2日間の日本株は完全に先物主導の動きで、現物株に積極的な売りが出ている雰囲気がありません。一つの仮説として、グローバル投資家は、今回の新型コロナウィルス感染拡大による経済的被害を嫌気して、オーバーウェイトとなっている米国株を積極的に削減する一方、ニュートラルないしはアンダーウェイトとなっている日本株にはまだ積極的に削減する動きとなっていない、ということが考えられます。

 

昨日のコメントでご説明した、新型コロナウィルス感染拡大から受ける経済的被害は、日本の方が米国よりもはるかに大きくなることが想定され、このまま日本株が米国株に対してアウトパフォームする動きが続くとは思えません。S&P500は、2月19日の史上最高値から4日間で7.62%の大幅下落となっており、日本株は目先の米国株の反発を織り込んでいるのかもしれません。しかし米国株に積極的な現物株売りが出ている以上、そう簡単に上昇基調に戻るとは思えず、米国株の下落基調が続いた場合、日本株は近日中に「帳尻」を合わせる形で大幅下落となるでしょう。

 

なおチャートでみると、TOPIXは年初来安値や25日、75日、200日すべての移動平均線を割り込み、チャートは完全に崩れています。日経平均は年初来安値は割り込んだものの200日移動平均線(現在22,196円)はかろうじて割らずに留まっています。しかし200日移動平均線を割り込み、22,000円も明確に下回ると、次の下値目処は強力なフシメである21,000円まで下値目処がなくなります。

 

2月20日のコメントで下げに備えるポジションの構築(先物売り、インデックス連動ETFの信用売り、インバースETFの買いなど)を強くお勧めしましたが、そのポジションは米国を初めとする世界株の明確な下げ止まりまで、クローズするべきではありません。