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2020年2月3日のマーケット・コメント

中国株取引再開-政府資金の買い支え観測

 

延長された春節休暇明けとなる本日、中国株の取引が再開されました。8%程度の下落で取引が始まり、その後は下げ渋る展開となっています。日本株は金曜日の米国株大幅下落を受けて安寄りしましたが、中国株の下げ渋りの動きを受けて朝方の日中安値からはかなり戻しています。この背景には、中国株が休場のため、日本株先物を売って代替ヘッジとした投資家が、中国株取引再開とともに日本株先物のショートを買い戻す動きがあったと想定されます。本日の香港株もプラスで推移していることから、香港株先物にも同様の代替ヘッジが入っていたことが伺えます。

 

また、本日の中国株市場には、中国政府系資金の買い支えが入っているという観測があります。ある意味、中国政府としては当然の行動と言えますが、市場の下落圧力を政府の買い支えによって防げる期間は限られる、ということを歴史が証明しています。今後の感染拡大の状況や、ついにフィリピンで死者が出て、今後の中国以外の国での死者がどうなるかで、感染拡大が実体経済にどのくらいの規模の悪影響を及ぼすか、市場は見極めていくことになります。経済的悪影響は、現在の想定よりも大きくなる可能性のほうが、小さくなる可能性よりもはるかに高いと思われ、慎重姿勢を継続すべきでしょう。

 

今日の日経平均の動きで、23,000円を明確に割った、とは言えない状況なので、先物の買い戻しでもう少し反発があるかもしれませんが、もし23,500円に迫る戻りがあれば、そこはカラ売りを入れるべきでしょう。買い手は先物の買い戻し以外に存在せず、買い戻しが終了したら買い手はいなくなります。すなわち、上昇トレンドに回帰することは考えられず、いずれ下抜けすると思われます。