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2020年3月12日のマーケット・コメント

株は一旦リバウンドの水準-ただし機敏な対応が必須

 

昨日、米国株が一昨日の上昇分以上に下落したことに加え、トランプ大統領が大陸ヨーロッパからの米国への渡航を30日間停止する、と発表したことを受け、本日の日本株はまたしても大幅下落となり、日経平均は安値めどとしていた3月9日イブニング・セッションでの先物安値18,500円を下回って引けました。海外株式市場の先物も軒並み大幅下落となっています。6月限りの日経平均先物のイブニング・セッションも、18,000円トライ(3月限り換算で18,200円)の動きとなっています。

 

結論から言いますと、この水準からは一旦リバウンドする可能性が高く、機敏に動けるのであれば売りポジションは一旦閉じて、リバウンド狙いのトレーディング買い機会だと考えます。2月21日以来の動きを振り返ると、第1波動で15%下落、3分の1戻りと半値戻りの中間水準まで戻り、第2波動でさらに15%下落、ほぼ半値戻った後に大幅下落、となっています。これまでの経験則は、15%級の下落波動が3回続いたことはなく、下落が終わっていない場合でも、安値圏での乱高下という段階が挟まっていました。

 

米国VIX指数はリーマンショックがあった2008年以来の50超えで推移していますが、この以上に高いボラティティは下落方向だけではなく上昇方向にも当てはまります。2008年10月も安値を付けに行く下落の前は乱高下でした。したがって、メインシナリオは現在の下落は下げの第3波動の始まりではなく、下値を500円切り下げたものの1,500円幅の乱高下、という見方を維持します。つまり現状水準で買って、19,000円台に乗せたら売り抜け、ということです。

 

リスク・シナリオとしてもし第3波動だった場合、直近高値20,190円から15%下落は17,162円、3分の1戻りは18,171円、半値戻りは18,676円となります。つまり、現状水準で買った後にもし18,000円を明確に割り込んでいくようであれば、逆張りで買い増しは避け、17,162円水準で底打ちを確認してから買い増して、18,000円台半ばで売り抜けという対応に切り替えです。