中長期視点での日本株の安値めど考察
これまでは波動論で目先の安値めどの説明ばかりでしたが、ここで中長期視点で日本株の安値めどを考えたいと思います。
まず中期視点です。予想EPSとPERでTOPIXの下値目処を考えます。現在の市場コンセンサスは、2019年度予想EPS105円、2020年度予想EPS113円となっています。ちなみに2020年度予想EPSは、ウィルス騒ぎが始まる前の1月14日時点では118円でした。ウィルス感染拡大で予想EPSは徐々にではありますが、切り下がってきています。ただまだまったく現実的な水準ではありません。現実的には、1-3月期はかなりの下振れが想定されるため、2019年度EPSは100円程度になると思われ、2020年度EPSは70-80円程度(20-30%減益)になると想定されます。減益局面のPERレンジである12-14倍を当てはめれば、最も楽観的にも80×14倍で1,120(日経平均では15,400円相当)、最も悲観的には70×12倍で840(日経平均で11,500円相当)と計算されます。
次に長期視点です。バフェット指数を論拠とします。バフェット指数とは「その国の株式市場時価総額÷その国の名目GDP」で算出される指数です。一般的に100%を超えると割高とされますが、日本株の場合、大幅下落する前は120%を超えていました。3月13日時点では88%です。添付ファイルをご覧いただきたいのですが、安値をつけるのは50-60%でした。60%まで低下するとすればTOPIX860、日経平均11,900円、50%まで低下するとすればTOPIX720、日経平均9,900円となります。(名目GDPの変化は考慮しない数値です。実際には2019年度GDPはマイナス成長になる見込みです。)