ドル円-シカゴ筋ポジションは均衡状態に
ドル円の推移を振り返ると、2月20日に「円下落(ドル上昇ではなく)」により112円台まで上昇し、シカゴ筋ポジションを見ると、2月18日から2月25日に円ショートが大幅増加、円ロングは減少しており、原動力は主に円ショートの順張りによるポジション増加だったことが伺えます。
その後ドル円は3月9日の102円割れまで、3週間で10円以上下落しました。円ショートは3月3日時点で17,322枚の大幅減少、3月10日時点では更に39,347枚の極めて大幅な減少となりました。一方、円ロングは3月3日時点では微減、3月10日時点では11,134枚の大幅増加となりました。つまり、この間のドル円の大幅下落の原動力は、円ショートの投げだったことが伺えます。
3月10日時点では円ショートが53,575枚、円ロングが61,732枚となり、2019年10月8日以来のネット円ロングとなりました。ただネット円ロングは8,157枚とわずかな量であり、ドル円を大きく上昇させるだけのエネルギーにはなりません。両サイドの5、6万枚というポジション量は、多くも少なくもない水準で、この点からもレンジ内では振れるがレンジ・ブレイクするほどのエネルギーはない、と判断されます。
結論としては、ドル円は目先は106-108円を中心とするレンジの動きが続く見通しです。トレーディングをするなら、そのレンジを前提にして小刻みに動く、ということになりますが、株のボラティリティ(価格変動性)がリーマンショック以来の水準まで上昇している状況では、ドル円はトレーディングの対象としては魅力なく、日本株の指数(日経平均かTOPIX)を対象に、先物か指数連動ETFで行なう方が効率いいでしょう。