日銀の号令で3月末の株価を作りにいっている印象-その分4月が怖い
先週木曜日から、米国株など海外株の動きに比べ、明らかに日本株の動きが底堅くなっています。3月18日のNYダウは前日比6.3%下落の19,898.92、S&P500は前日比5.2%下落の2,398.10でしたが、3月19日の日経平均は前日比1.0%下落の16,552.83、TOPIXは前日比1.0%上昇の1,283.22でした。3月20日のNYダウは18日比3.6%下落の19,173.98、S&P500は18日比3.9%下落の2,304.92でしたが、3月23日の日経平均は19日比2.0%上昇の16,887.78、TOPIXは19日比0.7%上昇の1,292.01でした。本日も、昨日のNYダウは前日比3.0%下落の18,591.93、S&P500は前日比2.9%下落の2,237.40でしたが、現在TOPIXは2.6%上昇、日経平均に至っては4.7%の上昇となっています。
日本株のこの不自然な動きの背景は、明らかに日銀のETF買い入れ増額です。19日、23日と2日連続で、日銀は指数連動ETFを1日あたり過去最高額の2,016億円買い入れました。買い入れ枠を年間12兆円に拡大したということは、単純計算で一ヶ月あたり1兆円ということになりますが、3月の買い入れ額はすでに1兆円を超えました。しかし今月いっぱいは、日銀は積極的に買い入れを行う可能性が高いと思われます。日経平均は18,000円を一時越える可能性があるでしょう。
その理由は、今月が決算期末の3月だからです。日銀を初め、ほとんどの日本の金融機関、ほとんどの日本の年金の決算期末は3月です。昨年3月末の日経平均は21,205.81、TOPIXは1,591.64でした。現在の水準は昨年3月末比で、日経平均、TOPIXともに17%程度の下落で、現状水準でも多額の評価減を計上することになりますが、もし日経平均が15,000円だったら評価減は30%近くになり、決算にとんでもない影響が出ます。(昨日朝のCMEでの日経平均先物の安値は15,060円でした。)
この不自然な動きを受けて、カラ売り筋は手を出しにくくなり、昨日のカラ売り比率は相場のピークアウトの目処となる40%を下回り38.8%となっています。なお、40%割れは2月7日以来の水準です。カラ売りが入らない=買戻しという買い需要が発生しない、ということなので、もし3月いっぱい期末の株価を作る動きが続けば、4月は3月に無理をした反動で大幅下落が懸念されます。