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2020年3月30日のマーケット・コメント

先週木曜日からのドル円急落の背景は期末に向けてのレパトリか

 

先週木曜日には111円台だったドル円ですが、木曜日には110円を割り込み、金曜日には108円台半ばまで下落、さらに本日午前11時16分には107.12円まで下落し、3日間で4円以上の急落となりました。先週末に発表された3月24日時点のシカゴ筋ポジションは、円ショートが32,665枚、円ロングが56,528枚で、差し引きは23,863枚のネット円ロングでした。短期ポジションの整理がここ3日間のドル円急落の背景だとは思えない状況です。

 

この間、ドル円は約4%の下落でしたが、ドル・インデックスは101程度から98.3まで約2.7%の下落となっており、米ドル下落に加え円が買われたこともドル円急落の背景でした。米ドルは、株が下落局面で独歩高となっていたため、株の反発で米ドルが売られることに違和感はありません。問題はなぜ円が買われたか、ということです。この間株価は大きく動いていませんから、以前の「リスクオフ=円買い」が復活した、ということでもありません。

 

短期投資家のポジションに関係ないとすれば、可能性として浮上するのが、日本企業による3月期末に向けたレパトリ(外貨資産を円資産に変えて国内に持ち込むこと)です。その見方が正しいとすれば、明日の3月期末を通過すれば、少なくとも円が買われた分は戻る、ということになります。ドル・インデックスが大きく変わらないとすれば、ドル円は早期に109円台は回復すると思われます。