1-3月GDP発表-3四半期連続マイナス成長は確実
本日発表された1-3月期の日本の実質GDP成長率は年率換算で-3.4%と、事前予想の-4.5%よりは良かったものの、昨年10-12月期の-7.3%に続き2四半期連続でのマイナス成長となり、いわゆるリセッション(景気後退期)入りとなりました。4-6月期のGDPは年率20%程度のマイナスが予想されており、3四半期連続でのGDPマイナス成長が確実となりました。(注:リセッションという用語の定義は「2四半期連続での実質GDPマイナス成長」)
3月初めから学校は一斉休校になったものの、緊急事態宣言が発出されたのは4月7日で、営業自粛要請を受けて各店舗が休業を始めたのも4月8日からでしたから、3月中の「自主自粛」の影響は予想ほどではなかったということでしょう。なお1-3月期GDPの内訳は、個人消費が0.7%減(10-12月期は2.9%減)、設備投資が0.5%減(同4.8%減)でした。
市場ではGDPの1-3月期の小幅マイナス、4-6月期の大幅マイナスはすでに織り込み済みであり、市場変動材料になりえるのは7-9月期の見通しでしょう。現在の市場の織り込みは、世界的に経済活動が正常化に向かい、7-9月期GDPはマイナス幅が大きく縮小する、というシナリオです。しかし、冷静に考えれば、そのシナリオの実現には無理があると考えます。
世界中が「自粛疲れ」になっており、経済活動を一部再開すると、人々は一気に外出を楽しみます。しかし、まだコロナ感染はなくなったわけではなく、特効薬もワクチンも完成には程遠い状況です。まず間違いなく、第2次感染が発生し、経済活動は再び縮小の方向に向かうでしょう。緩和と引き締めが繰り返される中で、経済活動が大幅に回復し、結果として7-9月期以降のGDPのマイナス幅が大幅に縮小するとは思えません。第2次感染のリスクは、ウィルス感染の専門家が異口同音に主張していることです。
株式市場が第2次感染リスクを織り込んで大幅下落が始まるまでは、短期投資家主導のレンジ相場で、大幅下落が始まったら中長期投資家が売り始め、3月のような大幅下落波動となる、という従来の見方を維持します。日経平均でいえば、19,000-20,000円を中心とするレンジが続いたあと、19,000円を明確に下回ったら目先の下値目処は17,500円、一旦19,000円トライ程度まで戻るも、再び下落して3月安値(16,358円)を下回っていく、というイメージです。