日本株の見方を修正-ウィルス感染第2波到来までは戻りが続く可能性
昨日日経平均は、まず超えないだろうと考えていた重要なフシの21,000円を明確に超えてきたことを受け、日本株(を含む主要株式市場)の見方を修正します。結論としては「おそらく世界的なウィルス感染第2波の到来により、いずれ株式市場は再び大幅下落が予想されるが、目先は上値を試す動きが継続する」です。
先進国各国でウィルス感染拡大ペースが鈍化し、欧米ではロックダウン解除から経済活動再開が始まり、日本でも金融事態宣言が解除され、段階的な経済活動再開が始まりました。それを受けた世界的な株式市場の上昇は、株式市場の織り込みが「4-6月期が景気、企業業績の最悪期、7-9月期は徐々に回復が始まり、10-12月期は回復が鮮明になり、2021年は大幅回復」であることを表していると思います。つまり、景気や企業業績はV字回復が見込まれ、ウィルス感染拡大による今期の業績悪化は一過性のものなので、足元の業績悪化に反応する必要はない」という解釈です。
すなわち、株式市場が再び下落転換するためには「景気や企業業績は7-9月期以降も低迷が続きそうで、2021年もどうなるかわからない」と、V字回復ではなくL字推移だと市場に思わせる出来事が必要です。そのきっかけとして最も可能性が高いと思われる出来事が、ウィルス感染拡大第2波の到来です。株式市場の織り込みに反して、各国のウィルス感染の専門家は、例外なく感染拡大の第2波、第3波の到来を予想しています。報道で経済活動再開後の各国の生活状況を見ても、感染拡大第2波到来に繋がりそうな様相です。
それが起きるまでは、短期投資家は上昇モメンタムに乗る動きが続く可能性が高く、戻りが続いているうちは潜在的な大口売り手である中長期投資家は様子見を続けるため、株式市場は上昇下落の値幅を出しながら戻りを試す展開になると思われます。ピークアウトから下落転換入りの判断は、上述のように状況変化で行なうべきで、価格水準で行なうべきではありません。参考程度に価格水準の目処を挙げると、下落の3分の2戻しが21,530円、200日移動平均線が21,655円、2月終わりから3月初めに明けた窓埋めが21,844円です。逆に、21,000円を明確に下回っていくようなら、戻り相場終了でレンジの動きに移行した可能性が高まります。