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2020年5月28日のマーケット・コメント

日本株は戻り最終局面の兆候が出ているが見切りは危険

 

本日も日本株は大幅上昇となりました。先物の引け値は22,000円台に乗せ、21,000円台に乗せた今週火曜日からわずか3日での大台通過です。ただここに来て戻りが最終局面に来た兆候が出ています。上昇のスピードがあまりにも速く各種指標で過熱感が出ている、ということは言うまでもないですが、他にも以下の状況が挙げられます。

 

1.バリュー株(低PBR株)の急騰

昨日もこの傾向が見られましたが、今日は特にバリュー株の急騰が目立ちました。金融や素材セクターを中心に、PBRが1を大きく割り込んでいる銘柄が、何の材料もない中での大幅上昇です。そもそも、そのような銘柄がなぜPBR1倍を大きく割り込んでいた理由は「業績の成長性がない」「足元の業績悪化が激しく、外部環境が改善しても業績回復力に欠ける」など、一言で言うと「それらの銘柄に魅力がないから」です。

しかし相場全体の戻りが続き、魅力度が高い銘柄の株価がもはやあまりにも高いという状態になると、「魅力がないから株価が出遅れていた(PBRが低位に放置されていた)」はずなのに、魅力がないことを忘れて、「あまりにも株価が出遅れている(あまりにもPBRが低い)」という理由で買い対象になるのです。(サイトの「相場のサイクル-基本的な考え方」の「中期サイクル」をご参照ください。)

これが戻り最終局面を示す、最も強い兆候です。

 

2.日中の乱高下

本日日中の日経平均先物の株価推移は、昨日のイブニングやCMEの引け値とほぼ同水準の21,640円で寄り付いたあと、前場は一気に21,900円まで急上昇し、後場が始まると21,570円まで急落、その後急激に切り返し、14時過ぎから上昇が加速して15時時点では21,900円、15時15分には22,030円まで上昇しました。このような日中の乱高下の背景は、現物主導ではなく先物主導の(もっぱら短期投資家のみが参加しており、中長期投資は参加していない状態の)相場だということであり、相場としては安定性に欠けるということです。これは往々にして高値圏で起こりやすい現象です。

 

ただ、そうは言っても見切り発車は危険です。下落を収益化するポジションを取るのは、ピークアウトからレンジの動きに移行することを確認してからにして下さい。