6月FOMC終了-予想通り景気先行きには慎重スタンス
昨日米国でFOMCが終了しました。内容としては事前予想通り、FFレート誘導目標は0-0.25%に据え置かれたほか、資産購入プログラムについては「少なくとも」現行ペースを維持し、2022年まで政策金利をゼロ付近で維持する、とされました。パウエルFRB議長は会見で「ウィルス感染拡大からの景気回復を支援するために、FRBはあらゆる手段を用いる」と表明しました。3月には公表が見送られたドット・チャート(FOMC関係者17人の金利予想表)が今回公表されましたが、2021年末までは全員が金利据え置き予想、2022年末でも17人中15人が金利据え置き予想と、今回の声明がほぼ全会一致であることが示唆されました。
米国経済に関しては「中期的に重大なリスクに直面しており、回復には想定以上に時間がかかる可能性がある」とされ、ポジティブ・サプライズとなった5月の雇用統計に関しては「労働市場が底打ちした可能性はあるものの、発表数値が事前予想と大幅に異なったことは、現状がいかに不透明かを明確に示している。労働市場の本格回復には時間がかかる」と慎重な姿勢を示しました。
これを受けて、米国長期金利は大幅低下し、米ドルは下落、米国株は景気敏感株や金融株などのいわゆるバリュー株が下落、グロース株は堅調で、NYダウ下落、S&P500小幅下落、NASDAQ小幅上昇となりました。ほぼ事前予想通りだったとはいえ、FOMCであらためて景気先行きに極めて慎重な見方が示されたことで、経済活動正常化の早期実現に期待を高めていた株式市場に、冷静さを促すきっかけには十分でしょう。景気敏感業種の比率が高いNYダウや日本株の、戻り高値更新の可能性はほぼなくなったと見ていいでしょう。
本日の日本株は、景気敏感業種主導で下落しているものの、FOMCの内容やドル円が一時106円台まで下落していることを考えると、本格下落というよりもまだ底堅い印象です。日経平均先物を見ると、大幅下落で寄り付いたあと急上昇しており、明日のSQに向けて先物需給が絡んでいる可能性があります。SQは相場の流れの転換点になったことが過去に何度もあり、明日のSQ通過後の動きに注目です。