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2020年9月3日のマーケット・コメント

米国株バブル終了が近いいくつかの兆し

 

昨日も米国株は上昇し、S&P500とNASDAQは史上最高値更新を続け、NYダウも史上最高値まであとわずかという水準まで迫ってきました。これまでご説明してきたように、米国株はバブル状態です。何かを織り込んでの上昇ではなく「上がるから買う、買うから上がる」という需給の好循環の継続です。バブルはいずれ終わりますが、実際に終わるまでは終わりの水準も時期も誰にも予想できません。とは言え、終わりが近い兆しがいくつかでてきましたので、ご紹介させていただきます。

 

1.株価上昇継続の中でのVIX指数の上昇

VIX指数とは、オプション市場で将来予想されている価格変動性を指数化したものです。通常は、安定的な株価上昇が続くと低下し、急落があると上昇します。過去20年間の平均は19.8で、15以下は安定状態、20以上は警戒状態、25以上は危機状態とされます。米国株の安定的上昇が続いた8月は21-24程度で推移していましたが、米国株上昇は続いている中で今週になって26を越えて推移しています。

VIX先物を見ると、9月限り(9月16日期限)は28.9、10月限り(10月21日期限)は35.1、11月限り(11月18日期限)は33.5となっています。大統領選挙をVIX高止まりの背景とする解説がありますが、大統領選挙は11月3日であり、9月限りや10月限りのVIX高止まりの理由としては不適切でしょう。真の理由は、米国株式オプション市場は米国株バブル終了が近いことを織り込んできている、ということです。

S&P500とVIX20200903

2.象徴銘柄の変調

米国大型グロース株バブルの象徴銘柄であるテスラモーターズですが、8月31日の株式分割日に14%も大幅上昇して500ドル(分割前だと2,500ドル)をつけました。しかしその後2日続落の動きとなっています。特に昨日は、479ドルで寄ってから405ドルまで15%も急落し、その後やや戻したものの引け値は447ドルとなっています。明らかな変調です。昨日のNASDAQの日中の動きを見ても、明らかにテスラの影響が見られます。

今後もテスラの変調が続けば、他の大型グロース株にも変調が波及していき、「上がるから買う、買うから上がる」が「下がるから売る、売るから下がる」に転換します。

 

3.バブルの持続期間

前回のバブルである1999年から2000年の「ネット・バブル」を振り返ります。1999年10月半ばから上昇が始まり、11月12月はほぼ一貫して上昇、2000年1月のもみ合いを挟んで2月から再び一貫して上昇し3月半ばでバブル終了となりました。今回の場合、どこからバブルが始まったとするかですが、3月安値から4月半ばまでは大幅下落の反動と見て、4月半ばから始まったとすると、前回の11月12月に相当するのが5月6月、前回の2月に相当するのが8月で、前回のバブル終了となった3月に相当するのが9月となります。

もちろん前回の時間軸が今回も同じになる保証はありませんが、短期投資家の志向パターンや行動パターンはいつの時代も同様で、情報伝達速度も2000年当時と現在で決定的な違いはないことから、重要な参考として問題ないと思います。

NASDAQ20年前と今20200903

これまでの繰り返しになりますが、バブルがいつ終わるのかは誰にも予想できず、全力で行動を取るべきは終わりの現象が始まってからにすべきです。しかし、終わりが近いということを意識し、その時に向けて色々な準備をしておくことは重要でしょう。