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2020年9月7日のマーケット・コメント

米雇用統計と米国市場の反応

 

先週金曜日に発表された雇用統計ですが、非農業部門雇用者数変化は事前予想の135万人増をやや上回る137万人増、失業率は事前予想の9.8%を大きく下回る8.4%でした。これを受けて、米国債券は下落し、米国10年国債利回りは0.63%から0.72%に上昇しました。米国株は寄付き後は大きく下落したものの、下落一巡後は値を戻す展開となりました。引けは、NYダウは0.56%安、S&P500は0.81%安、NASDAQは1.27%安となり、引き続きグロース株が下落を主導しました。NASDAQは一時前日比4%近くの下落となりました。

 

米国債券は下落したまま、米国株式が戻ったわけですが、この動きから言えることは、何かを織り込んで株が戻ったということではなく、株の下落を「押し目」と捉えた買いとカラ売りの買い戻しが株が戻る過程での買い手だったことが伺えます。上昇が続いた後の、下落の初期で典型的に見られる現象ですが、買い手は「株を買いたいが押し目待ちに押し目なしの展開が続き、やっと待ちに待った押し目が来た」「株は割高だと思ってカラ売りしたが、株価上昇が続き含み損が膨らみ、損切りの機会を待っていた」という投資家であり、一言で言うと「最も下手な投資家の買い」です。そのような買いはすぐに一巡します。

 

米国債券市場が長期金利上昇で反応している以上、前回のコメントでご説明した「長期金利の上昇は、米国株(特にグロース株)の高いバリュエーションを正当化できなくする」という反応に時間の問題で転換していくと思われます。米国債券市場で再び長期金利が低下すれば、株下落の動きへの転換は仕切りなおしとなりますが、目先は9月16日FOMCまで金融政策に関する重要イベントはないため、少なくともそれまでは長期金利の再度の大幅低下の可能性は低いでしょう。

 

米国株は3連休明けの8日(火曜日)にも大幅下落する可能性があり、もしそうなれば下げ渋っている日本株も大幅下落となるでしょう。なお、米雇用統計が予想よりも強かったくらいで、景気先行き見通しには変化は無く、株価出遅れ感からバリュー株(景気敏感株)を買う動きに持続性はないと考えます。景気先行き見通しが悪く、それゆえ業績見通しが悪いという理由で、バリュー株(景気敏感株)の株価は出遅れていたわけですが、その因果関係を無視して株価出遅れという結果を理由にすることには、いかにも無理があるからです。