1月FOMC終了&米国株大幅下落
昨日米国でFOMCが終了しました。予想通り政策変更はなく、月額1200億ドルの債券買い入れに関しては「一段と顕著な経済活動の進展」があるまでは維持するとされ、また「出口に焦点を合わせるのは時期尚早だ」とテーパリング議論開始懸念を否定しました。2013年5月に当時のバーナンキFRB議長がQE3のテーパリング開始の可能性に言及し、長期金利が急上昇して株が大幅下落した「テーパータントラム」の記憶はパウエル議長も強く意識していたはずで、今回のFOMCは「無色無味」に徹するという意図があったことが伺える声明でした。
パウエル議長の意図に反して、米国株はFOMC声明を受けて下落幅を拡大しました。そもそも米国株市場は、ゲームストップ株(GME)が数日で数倍に上昇するなど投機色の強さが懸念されており、何かをきっかけにして一旦調整が入りやすい状況でした。そこに「FOMCで追加的なポジティブ・ニュースがなかった」という理由で、短期投資家の売りを誘ったということだと思います。
米国株の調整が1日で終わるとは思えず、まだ下落余地はあると思われるものの、あくまでもレンジの下限を試しに行く程度の下落余地しかなく、安値めどはNYダウで29,000程度、日経平均で26,000円程度が目いっぱいだと思われます。その水準まで下落せずに切り返してくる可能性もあるので、ある程度の水準になったら買い下がり始めてこまめなポジション管理が必要でしょう。
これまでもご説明しているように、本格的な下落転換には長期金利の明確な上昇と、それによるFRBの出口模索懸念が不可欠です。