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2021年2月22日のマーケット・コメント

米国長期金利上昇継続-内容に重要な変化

 

先週金曜日に米国10年国債利回りは1.34%まで上昇して、今年の最高値を更新しました。1.34%の内訳は、実質金利(物価連動国債利回り)が-0.82%、期待インフレ率(BEI率)が2.16%となっています。なお1週間前の2月12日時点では、10年国債利回りは1.21%でその内訳は、実質金利が-1.02%、BEI率が2.24%でした。つまり先週は、期待インフレ率が0.08%低下、実質金利が0.20%上昇する形で利回りが上昇しました。

 

実質金利は昨年8月以降ずっと-1.0%近辺での推移が続き、昨年8月の0.51%から2月12日の1.21%への利回り上昇は、すべて期待インフレ率の上昇によるものでした。期待インフレ率上昇の背景は、米国経済の順調な回復、原油などの商品価格の上昇、大型追加経済対策の影響などが挙げられ、特段の違和感はありませんでした。実質金利がずっと-1.0%近辺で変化がなかったことの背景は、FRBが現在の超緩和政策を相当な期間維持するとしていることが背景で、こちらも特段の違和感がありませんでした。

 

ところが、先週から利回り上昇の構造が大きく変化し、実質金利の上昇により利回りが上昇するようになったことは注目する必要があるでしょう。実質金利の上昇は、債券市場でFRBの政策変更、すなわちテーパリング開始を織り込み始めた、ということだからです。まだ米国株市場には波及していませんが、テーパリング開始は強烈にネガティブな材料です。今後、実質金利が更に上昇する形で、10年国債利回りの上昇が続くなら、米国株がピークアウトから下落に転じるのは時間の問題でしょう。米国実質金利の動向は、注意深くモニターしていく必要があるでしょう。

 

ところで日本株ですが、2月になって3週連続で月曜日に、前週末の米国株やドル円など外部環境に関わらず、日本株だけが独自に大幅上昇するという動きが続いていました。今日も日経平均は高寄りから更に上昇し「またか!」と思いましたが、10時過ぎに本日の高値をつけてから大きく下落しており、明らかにこれまでの月曜日とは異なる動きになっています。もし上記に事情で、実質金利上昇を嫌気して米国株の下落が始まれば、日経平均も一気に調整する素地が出来てきた印象です。