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2021年3月19日のマーケット・コメント

日銀の「政策点検」発表&米国長期金利上昇加速

 

本日12時40分頃から、日銀による「政策点検」の内容が正式発表されました。いかが主な内容です。

 

1.ETF買い入れについて「年間約6兆円を原則」という文言を削除

2.10年国債の金利誘導目標について「0%±0.25%程度」と明文化

3.ETF買い入れについて、全額TOPIX連動型にする

 

1.と2.は昨日の日経新聞報道とまったく同じ内容で、新しい材料は3.だけです。3.の影響ですが、これまでETF買い入れの「75%がTOPIX連動、25%が日経平均連動」だったものが「100%TOPIX連動」となることにより、日経平均連動ETFの買い入れは行なわれなくなります。この変更は、ファースト・リテイリング(9983)、ソフトバンクG(9984)、東京エレクトロン(8035)、ファナック(6954)などの、日経平均構成比率が高い銘柄の需給にとってネガティブに作用します。実際に、発表後に上記銘柄群を主導に日経平均は大幅下落しています。一方、TOPIXは小幅下落にとどまっています。

 

ところで米国長期金利ですが、昨日は上昇が加速しました。10年国債利回りは前日引けは1.65%でしたが、昨日は一時1.75%まで上昇し、引けは1.71%でした。実質金利は-0.66%から-0.59%への上昇となっており、引き続き実質金利上昇が利回り上昇要因となっており、期待インフレ率には大きな変化はありません。また、30年国債利回りは一時2.5%を超えました。一昨日のFOMCで示されたドットチャートの一番右に「Longer Term(中長期的には)」という予想がありますが、この予想の中央値が2.5%でした。米国株市場では「30年国債利回りがLonger Term予想値を超えたら危険信号」と言われています。

 

書いているうちに日経平均は安値から大幅反発しています。(300円急落250円急反発)相変わらず、すごいボラティリティです。