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2021年3月21日のマーケット・コメント

FRBはSLR緩和措置3月末終了を決定

 

FRBは19日に、今月末に期限を迎えるSLR緩和措置を当初予定通り今月末で終了させることを発表しました。SLR(Supplementary Leverage Ratio=補完的レバレッジ比率)とは、米国の銀行に適用される資本規制で、自己資本に対して過度なレバレッジを取る(過剰な資産を保有する)行為を規制する目的があります。昨年のコロナウィルス感染拡大を受けた流動性ひっ迫を回避するために、FRBは2020年4月から1年間に限り米国債を資産残高算定から除外する 事を決定しました。

 

その措置を受けて、米国の銀行は米国債の保有残高を増加させており、緩和措置が今月末で終了となれば、総資産残高を減らすために、保有する米国債の一部を売却する必要が生じ、米国債の下落(金利上昇)要因となります。パウエルFRB議長は、先週のFOMC後の会見で、SLR緩和の延長に関して質問された際に「それについては数日中に発表する」と発言していました。

 

米国長期金利は上昇基調が続いており、SLR緩和措置の今月末終了は、更なる金利上昇圧力になります。FRBとしては、過度に急激な金利上昇は避けたい一方で、一貫性や合理性のない理由で期限延長し、市場のFRBに対する信認を悪化させる事態も避けたかったでしょう。FRBとしては「ある時期まで延長することについて、合理的な理由が見当たらないこと」「たとえ延長したとしても、いずれ期限は来ること」を考慮しての決定だと思います。

 

つまり「十分な説得力のない理由で期限到来を単に少し先送りにする」よりも「予定通り緩和措置は終了させ、市場動向を見守る。もし、それにより債券市場がFRBが看過できないほどの大きな混乱に陥るならば、その混乱収束に動く」を選んだ、ということです。