シカゴ筋ポジション更新-ドル円のポジション調整進まず
先週末に発表された4月20日時点のドル円のシカゴ筋ポジション(非商業ベース)は、円ショートが4月13日時点の85,994枚から86,436枚に微増、円ロングは27,682枚から26,617枚に微減となり、差し引きのネット円ショートは58,312枚から59,819枚に増加となりました。4月5日付のコメントで「円ロングが過去最低水準の2万枚台まで減少しており、一旦大き目の調整(高値から3-5円)を経て円ロングが5万枚程度以上まで増加しないと、ドル円の上昇は再開しにくい」とご説明しました。3月31日の高値110.97円から4月20日の引け値108.11円までほぼ3円調整しましたが、その間に円ショートはずっと8万枚台、円ロングは2万枚台での推移が続いており、ポジション整理はまったく行なわれていません。
4月19日付のコメントで「安値めどは75日線と下落トレンドが交わる107円近辺」とご説明しました。75日線は現在107.03円まで上昇してきており、今週中にも75日線トライとなりそうですが、ポジション整理がまったく進んでいない状況を踏まえると、下値めどは75日線の107円ではなく、200日線が位置する106円割れの可能性が高まってきたと思います。高値から5円の調整です。
米国10年国債先物のポジションは、4月20日時点でショート(金利上昇にベット)が658,025枚、ロング(金利低下にベット)が673,632枚とほぼ拮抗しており、どちらの方向にもポジションの偏りはありません。ただ、4月16日付のコメントでご説明したように、短期投資家のショートの買い戻しは一巡した可能性が高く、また推計簿価はショートもロングも1.3%程度なので、現状水準ではショートは含み益、ロングは含み損となっています。したがって、次に大きな動きが出やすいのは含み損となっているロングの投げによる金利上昇でしょう。
ドル円と米国長期金利動向との相関性が高まっていることを踏まえて、以上を総合すると、今後考えられるシナリオは、
1.米国10年国債利回りが1.50%トライの動きになる際にドル円は106円割れまで調整し、ドル円ポジションの整理が行なわれ、その後は金利もドル円も大幅上昇。(110円を超え高値更新に向かう)
2.ドル円ポジションの整理が行なわれるよりも先に、米国10年国債利回りが上昇して、ドル円は円ショートが更に増加することにより上昇するが上値は重い展開。(110円は超えられず107-110円のボックス相場に)