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2021年8月10日のマーケット・コメント

どうにも上値が重い日本株-戻り売り姿勢が得策か

 

先週金曜日に発表された米雇用統計ですが、非農業部門雇用者変化は事前予想の87万人増を上回る94.3万人増、失業率は事前予想の5.7%を下回る5.4%と強い内容で、これを受けて米国債券市場は金利上昇(債券価格下落)の反応となりました。米国10年国債利回りは木曜日引けの1.22%(期待インフレ率2.33%&実質金利-1.11%)から1.30%(期待インフレ率2.36%&実質金利-1.06%)に大幅上昇し、ドル円は110円台を回復しました。米国株は、NYダウは上昇、S&P500は小幅上昇、NASDAQは小幅下落と、金利上昇に対して教科書通りの反応となりました。日本が祝日だった昨日の米国市場は、株、債券、為替ともにほぼ横ばいでした。

 

そのような2日間の米国市場の動きを受けて、本日の日本株は寄りから上昇して日経平均は一時28,000円台を回復したものの、午前11時ごろに急落して上昇分をすべて消す動きになっています。7月半ば以降、日本株はどうにも上値が重い展開が続いており、ドル円が戻っても上値の重さが変わらないということは、その要因はウィルス感染拡大を制御できず支持率が低下を続ける菅政権に対する懸念だとしか思えません。

 

まもなく発表が出揃う4-6月の企業業績は、総じて言うと「予想以上に強い」内容でしたが、株価の反応は「予想以上に強いに対しては横ばい、予想通りは小幅下落、予想以下は大幅下落」でした。つまり、業績回復に対する期待は最大限に織り込まれていた状況であり、今後の業績に関する織り込みは株価上昇材料にはなりえず、むしろ業績モメンタムは4-6月期がピークという織り込みとなり、株価下落の材料になる可能性があります。

 

米国株は高値圏でのもみ合いが続いていますが、更に一段と上昇する材料には乏しく、むしろ8月末のジャクソンホール会合や9月22日FOMCに向けて、再度インフレ圧力高止まり懸念、金融政策正常化開始(テーパリング開始)懸念から、株価が調整に向かうリスクがあり、その場合は米国株主導で日本株も含めて世界同時株安となります。

 

日経平均のチャートを見ても、25日線(現在28,004円)、75日線(現在28,538円)ともに下向きで、200日線(現在27,949円)は上向きですが、サポートとしては機能しない水準まで上昇しており、いつ下離れしてもおかしくない形になっています。「押し目を買って戻りを取る」という戦略よりも「戻りを売って下落を取る」という戦略に分がありそうです。日経レバETF(1570)の信用買い残が高水準に積み上がっていることが、売りに分があることを示唆しています。