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2022年1月11日のマーケット・コメント

米雇用統計はFRBのタカ派転換を後押しする内容

 

先週末に発表された米雇用統計ですが、非農業部門雇用者数変化は事前予想の45万人増を下回る19.9万人増だったものの、失業率は事前予想の4.1%より改善の3.9%、平均時給は事前予想の+4.2%を上回る+4.7%となりました。失業率低下、平均時給の伸び加速は「雇用が十分回復しインフレ圧力が高まるならFRBは迅速に引き締め策を講ずる」というFRBのタカ派転換を強く後押しする内容となりました。

 

これを受けて、米国債券市場では金利上昇(債券価格下落)の反応となり、米国10年国債利回りは1.77%(期待インフレ率2.54%&実質金利-0.77%)まで上昇し、昨年3月末につけた2021年の最高利回り1.74%を上回りました。米国株式は、引き続きグロース株主導での下落となり、NYダウは横這い、S&P500は小幅下落、NASDAQは1%に迫る下落となりました。

 

昨日の米国市場では、米国株式は一時2%超の下落となりましたが、昼過ぎから引けにかけて値を戻し、結局小幅下落で引けました。米国10年国債利回りは、一時1.81%まで上昇しましたが、こちらも昼過ぎから引けにかけて戻す展開となり、結局1.76%(期待インフレ率2.53%&実質金利-0.77%)で引けました。戻し始めた時刻を見ると、米国債券が米国株式よりも30分程度早かったことから、債券市場の戻りに株が反応した展開でした。

 

パウエルFRB議長が、本日行なわれる米上院銀行委員会での指名承認公聴会での証言テキストが昨日公表されましたが、そこには「金融当局としてインフレ高進が定着することを阻止する」とあり、もはや今後発表される経済指標のブレに左右されることなく、今年の金融政策は「3月に債券買い入れ終了、すぐに利上げに着手して年内に3回程度の利上げを行ない、年央にもバランスシート縮小(QT)開始」という方針で行なわれることが示唆される模様です。

 

米国債券市場も米国株式市場も、今回のFRBのタカ派急旋回をまだ十分に織り込んだとは思えません。債券も株もまだ一気呵成に下落する局面ではないと考えるものの、もみ合いのレンジの下限を確認に行く最中だと考えられます。レンジの下限となる水準ですが、米国10年国債利回りは2%、NYダウは34,000ドル、S&P500は4,400、NASDAQは14,000を想定しています。