米雇用統計-引き締め加速のブレーキ要因にはならず
先週金曜日に発表された9月の米雇用統計ですが、非農業部門雇用者数変化は事前予想の25.5万人増(前月は31.5万人増)に対して26.3万人増と、わずかに予想を上回りました。失業率は事前予想の3.7%(前月は3.7%)に対して3.5%と強い数値となりましたが、これは主に労働参加率が62.4%から62.3%に減少した(求職活動を行なっている人の数が減少した)ことが要因でした。平均時給は事前予想通りの結果でした。
雇用統計の内容は「事前予想プラスアルファ」程度の内容でしたが、米国市場は「FRBの引き締め加速を後押しする内容」と捉え、米国株式、米国債券ともに大幅下落となりました。米国株式はNYダウが2.1%、S&P500が2.8%、NASDAQが3.8%の下落、米国10年国債利回りは前日引けの3.83%から3.88%に上昇しました。ドル円は「介入ライン」と見られる145円を明確に上回ってきました。
すでに米国株式市場では多数の銘柄が業績懸念を表明していますが、日本でも「業績発表のトップバッター」の安川電機が先週金曜日に6-8月期の業績発表を行い、通期業績の下方修正を発表しました。通期の営業利益予想は720億円から700億円に下方修正と表面的には微減ですが、為替効果と不動産売却益を除くと620億円になります。下方修正の背景は、需要は計画比微減ですが、コスト上昇が計画比大幅上ぶれ(コスト上昇の価格転嫁が追いつかず)であり、先行きに不安を感じさせる内容でした。本日、業績発表を受けて株価は5%の下落となっています。
日本株式市場でも、今後業績発表が進んでいくに連れて、業績先行き懸念が高まっていくことは、ほぼ確実な状況です。