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2022年10月24日のマーケット・コメント

為替介入

 

先週金曜日の日本時間午後11時30分頃に、明らかに為替介入が入った値動きとなりました。先週金曜日のドル円は、東京時間では150円台前半での穏やかな推移でしたが、欧州時間に入ると上昇基調を強め151円を突破し、米国時間が始まる頃には152円を伺う値動きでした。そこに介入と思われる円買いドル売りが入り、ドル円は一気に146円割れ寸前まで急落、その後やや持ち直して147円台後半で週を終えました。

 

前回の介入は146円に迫る水準で発動され、一時140円台後半までの急落でしたから5円幅、今回は152円に迫る水準から一時146円前半ですからやはり5円幅であり、介入の規模は前回と同規模の200億ドルだったと思われます。前回のコメントでご説明したように、米国債の売却を伴わずに円買いドル売りに使える外貨預金残高は、8月末に1,361億ドルしかなく、9月22日の介入で200億ドル(確報)、10月21日の介入で更に200億ドル(推定)使ったとすれば、残りは961億ドルということになります。

 

本日8時30分ごろにも「介入か?」という値動きがありました。今朝のドル円は148円程度で始まったあと、上昇に勢いがつき開始2時間で150円に迫っていたところ、一時145円台半ばまで急落、その後すぐに切り返し148円台前半での推移となっています。これも介入だとすれば、規模は過去2回よりも小さく、おそらく100億ドルかそれ以下だと思われます。前回のコメントでご説明したように、介入出動の判断は水準ではなく、短期的な値動きであり、おそらく「1日で1.5円以上の変動」が出動基準なのではないでしょうか。

 

いずれにしろ、介入の原資は減ってきており、すでに「介入での急落は買い」という学習効果が定まりつつあることも考えると、今後の介入出動は日本政府が「お仕事してまっせ感」をアピールする以外の効果は何も期待できそうにありません。今後発表される外貨準備の統計で、もし介入に備えて値動きが穏やかな時に円売りドル買いを行い、介入原始である外貨預金を増やす行動を取っているフシが明らかになれば、笑い話を通り越してホラー話です。日本人として、日本政府がそこまで愚かでないことを祈ります。