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2022年11月21日のマーケット・コメント

ドル円は動いた値幅の割にはポジション調整小規模

 

先週末に発表された11月15日時点のドル円のシカゴ筋ポジション(非商業ベース)は、円ショートが11月8日時点の112,459枚から99,639枚に減少、円ロングは37,201枚から33,797枚に微減、差し引きのネット円ショートは75,258枚から65,842枚に減少、となりました。11月10日の米CPIが下ぶれた事を受け、ドル円は146円台から一気に140円台に急落、その後も続落し一時137円台まで調整したことを考えると、動いた値幅の割にはポジション調整の規模は小さかった印象です。

 

ネット円ショートの前回の最小値は、7月14日に139.39円を付けたあとの調整局面となり、8月2日には130円台まで下落したあとの8月9日時点の25,032枚でした。調整値幅は9円でした。今回の調整値幅は151円台から137円台までの14円で、値幅は十分と言えますが、ポジション調整は十分とは言えず、早期の上昇転換の可能性は限定的でしょう。

 

日米の金融政策を始め、円安ドル高トレンドが転換するようなファンダメンタルズ変化は何もないことから、円安ドル高トレンドが終焉して円高ドル安トレンドに転換したとは思えませんが、再び150円を超えて円安ドル高進行するためには、目先はしばらく日柄調整が必要だと思われます。

 

推計簿価は、円ショートが132円程度、円ロングが139円程度なので、現状の140円台では、円ショートは十分な含み益、円ロングが若干の含み損という状況です。今後、円ロングが増加するのではなく、円ショートの利食いによるポジション減少が徐々に進むことにより、全体のポジション調整が行なわれる、ということになると思われます。