S&P500の戻り目処
5月12日付のコメントでご説明したとおり、米国株は底打ち反転してきています。(なお、5月12日付コメントに添付した「S&P500の25日線カイリ率」のチャートに、肝心な直近部分に誤りがあったので差し替えました。)今回はS&P500の目先の戻り目処を考えたいと思います。
米国を始め、世界的に市場材料になりそうな重要イベントは当面なく、チャートで考えるのがよさそうです。移動平均線を見ると昨日引け時点で、25日線が4,207、75日線が4,353、200日線が4,475に位置しています。3つの移動平均線の中で、過去1年間でフシメとして最も機能してきたのは75日線なので、今回も75日線は有力候補でしょう。しかし、現在75日線が位置する4,353は、昨日の引け値4,089から6.4%も上の水準であり、5月12日の安値3,859からは12.8%も戻ることになる水準です。正直言って「はたして今回の戻り波動でそこまで届くのか?」という印象です。
もう少し控えめな次の候補は、移動平均線ではなく、2月から3月のウクライナ侵攻開始時の下落局面でサポートとして機能した4,200という水準です。チャート分析の原則の一つに「以前サポートとして機能していた水準を明確に下抜けると、今度はその水準が抵抗線になる」というものがあります。言い換えれば「その水準までは戻っておかしくない」ということであり、4,200が最低の目処と見ていいでしょう。なお4,200は、ちょうど25日線が現在位置する水準ですが、25日線は今後も低下していくので、もし4,200まで戻るなら25日線を上抜くことになります。
S&P500の戻りを受けた日経平均の戻り目処のイメージは、S&P500が4,200で27,500円程度、S&P500が4,350で28,000円程度です。