ミョウジョウ・アセット・マネジメント株式会社の運営する会員制金融情報サイトです。

2022年6月6日のマーケット・コメント

日米株の関係が再び複雑化-背景不明で不気味

 

先週金曜日の米国市場は、雇用統計が予想を上回る強さだったことにより、FRBの金融引き締めが想定通りに積極化していくとの織り込みから、長期金利が上昇、米国株は下落となりました。米国10年国債利回りは前日引けの2.91%(期待インフレ率2.68%&実質金利0.23%)から2.94%(期待インフレ率2.76%&実質金利0.18%)に上昇、NYダウは1.1%、S&P500は1.6%、NASDAQは2.5%の下落となりました。イブニングの日経平均先物の引けは27,570円でした。金利上昇を受けてドル円は130円を超え、一時130.98円まで上昇し5月9日の直近高値131.35円に迫りました。引けは130.88円でした。

 

金曜日の日中引けは27,790円でしたから、イブニング引けでは0.8%下落と米国株よりも下落率は小さく、ドル円上昇の影響かと思われました。ところが、本日の日経平均はイブニングの引けと同水準で寄った後、ドル円はやや下落しているにもかかわらず、なぜか上昇基調となり、前場の引けでは金曜日の高値を上回ってきました。日本特有の好材料は何も見当たらず、正直言って不気味な感じです。

 

前回のコメントで

「展開がコンセンサス通り(日経平均の上値目処は200日線の27,940円)になることはまずないのが相場の世界であることを考えれば、現実的に考えられる展開は『コンセンサスの水準まで届かず終わる』か『コンセンサスの水準を一旦は上抜ける』かのどちらかでしょう。CTA(機械仕掛けのトレンド追従型戦略)のショートの買い戻しはすでに終了し、その他には買い戻し需要(ヘッジの戻しなど)は見当たらないことから、買い戻しにより想定を超えて上昇する、という状況ではありません。むしろ現在の状況は『戻ったら買いポジションを減らしたい』と考えている投資家が多いと考えられ、今後の展開は『コンセンサスの水準まで届かず終わる』可能性が高いと考えられます。」

とご説明しました。

 

しかし、今日の展開を見ると「コンセンサスの水準を一旦は上抜ける」という可能性を否定できなくなりました。200日線(現在27,940円)を上抜け、一時的に3月高値水準の28,300円程度まで上昇する可能性を踏まえて、売りポジションの余力管理を行なうことをお薦めします。なお、現在が「高値もみ合い」の状況にあり、上がったところは売り(カラ売り)下がったところは買い(買い戻し)という基本観が変る可能性は一切ないことを強調します。見方に違和感がでてきたのは「目先の上値目処」だけであり、今日の後場以降に帳尻を合わせるような日本株の下げがあれば、その違和感も解消されます。