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2022年7月19日のマーケット・コメント

米小売売り上げ&米企業の採用抑制

 

先週金曜日に発表された6月の米小売売り上げは、事前予想の前月比+0.9%とほぼ一致する+1.0%でした。市場の一部に下ぶれ懸念があったため、予想通りの結果を受けて米国株式市場は大幅上昇となりました。一方で、債券市場は中東会合での原油増産合意期待により、原油価格が調整基調だったことを受け、インフレ沈静化期待から上昇(金利低下)となりました。

 

日本が祝日だった昨日の米国市場は続伸で始まったものの、アップルが景気悪化に対応するために採用と費用支出のペースを落とす計画であることが伝えられたことを受け、一転下落基調となり前日比マイナスで引けました。これまでも、テスラ、アルファベット(グーグル)、アマゾン、メタ(フェイスブック)、マイクロソフトなどの大型テクノロジー企業が、人員採用抑制や人員削減に動いており、景気先行き懸念が高いことが改めて意識されました。更に、中東会議での増産合意が表明されなかったことを受け原油価格が反発し、インフレ沈静化期待が後退したことから債券市場は下落(金利上昇)となりました。

 

米国債券市場では、米国2年国債利回りが3.18%、米国10年国債利回りが2.99%となっており、景気減速局面入りの前兆とされる逆イールドが定着しています。米国大型テクノロジー各社も、上記のように景気後退局面入りの可能性を強く意識し始めています。さらに米国株式市場では、ストラテジストによる目標株価とトップダウン業績予想(市場全体の予想)の下方修正が相次いで出始めています。つまり、残された唯一の景気楽観派は、アナリストによるボトムアップ業績予想(各社予想の集計)のみとなっています。

 

つまり「債券市場、米国テクノロジー企業各社、株式ストラテジスト」連合チームか、「アナリスト」単独チームのどちらかが間違っていることになるわけですが、どう考えてもアナリストの業績下方修正が遅れている(アナリストが間違っている)としか考えられず、今週から本格化する4-6月期の業績発表を受けて、アナリストの業績下方修正が相次ぐ、という展開になりそうです。

 

そのような展開になってもFRBは引き締めアクセルを緩めることはないことが、7月27日FOMCで明らかにされ、さらに9月からはバランスシート縮小(QT)のペースが、毎月475億ドル(米国債300億ドル、MBS175億ドル)から950億ドル(米国債600億ドル、MBS350億ドル)に増額されることがすでに決定されています。世界的に株式市場は8月に本格下落局面を迎える可能性が高いと考えます。